本学における日本語教員養成課程は、日本語を母語としない人たちに日本語を教える人材を育成する目的で2003年に開設されました。教員免許のような公的資格とは異なりますが、学士の学位が授与されることを基礎的要件として所定の単位を修得すると修了証書が授与されます。
本課程の特長は、全受講生が『日本語学習者支援活動』と国内・海外で行なわれる『日本語教育実習』に参加することです。授業で得た幅広い知識に加え、このような活動を通して日本語学習者を知り、学習者のニーズに応じた教育実践ができる力を身につけることで、多様な学習者に対し適切な指導・サポートができるようになることを目指します。
*文化審議会国語分科会「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)改定版」(平成31年)の「日本語教師【養成】における教育内容」で示されている必須の教育内容
本課程は文学部の全学科の学生を対象に北16条キャンパスで開講されています。
※図書館情報学課程と両方を受講することはできません。
本課程は原則的に2年間で全科目を履修することを前提に構成されており、履修方法として二段階制をとっています。ただし、修了に要する年数については、学生の時間割編成上不都合が生じた場合にはこの限りではありません。
第一段階 |
---|
日本語文法・音声学を必修科目として履修することで、日本語を教える際のベースとなる基礎知識を身につけます。 加えて、日本語学・言語学・日本文学・日本文化・心理学・異文化コミュニケーション等多様な領域の科目を履修することで、日本語学習者を指導する際に必要となる幅広い知識を身につけます。 |
第二段階 |
---|
教授法に関わる授業を履修し、外国語の学習方法や指導方法について考えます。 また、その知識をより具体的な形で学べるよう、授業の一環として様々な活動に参加します。
|
【実習】 課程の最後に全受講生が国内実習もしくは海外実習を行います。
|
『日本語教育実習Ⅰ』では、12月に札幌市内の日本語学校などで実習を行っています。
実習受入協力機関: 札幌ランゲージセンター、北海道日本語学院札幌本校、友ランゲージアカデミー札幌校 など
日程 | 内容 |
---|---|
9月〜11月 | 教案・教材作成 |
11月下旬〜12月上旬 | 日本人を対象とした模擬授業(教壇実習のリハーサル) 授業見学 |
12月 | 教壇実習 |
12月下旬〜1月 | 実習授業の振り返り |
初級学習者を対象に実習を行います。 使用テキスト:『みんなの日本語』『できる日本語』『文化初級日本語』など ※受け入れ機関に合わせて
『日本語教育実習Ⅱ』では、2月下旬から3月上旬にかけて台湾(台北)に一週間滞在し、本学の協定校である輔仁大学日本語学科で実習を行っています。大学で行われている正規の日本語の授業や、ジャパニーズコーナー(日本語をさらに学びたい学生のための学科カリキュラム以外の授業)を担当し、中上級日本語学習者への指導を行います。
1日目 | (午後)新千歳空港発 → 台北空港着 |
---|---|
2日目 | 実習 |
3日目 | 実習 |
4日目 | 実習 |
5日目 | 実習 |
6日目 | 実習 (夕方)台北市内観光 |
7日目 | バスで台北市内観光(故宮博物院、中正紀念堂、迪化街等) |
8日目 | (午前)台北空港発 → 新千歳空港着 |
日本語学科3年生の会話クラスとジャパニーズコーナー(文化的な内容を扱った日本語の授業)で実習を行います。授業で扱う内容(テーマ)は担当者自らが考え、教材も全て自分達で作成します。
ジャパニーズコーナーで取り扱ったテーマ
俳句を作ろう!
ことわざを覚えよう!
擬音語・擬態語を上手に使ってみよう!
色々なキャラクターの話し方から特徴を学ぼう!
日本での接客の仕方を知ろう!
面接の受け方を学ぼう!
日本語でメールを書こう! など
実習最終日には検討会を行い、実習を見学してくださった輔仁大学日本語学科の先生方からコメントをいただきます。授業内容から、教師の発話の仕方、学生の発話のさせ方、クラスの雰囲気作りなど細部に至るまで、具体的・実践的なアドバイスをいただきます。
放課後や週末には輔仁大学の学生さんたちと観光に出かけます。日本語を意欲的に学ぶ学生さんたちと実習時間以外にも交流を深めることで多くの刺激を受け、大変有意義な経験となっています。
・副田 恵理子
学生入試広報スタッフ「F-lens」が取材した受講生インタビュー資料はこちらです。