知識や経験を増やすためにとてもいい環境です

日本語教員養成課程
文学部 英語文化学科 3年 F.Mさん 

受講しようと思ったきっかけは?

海外の人と関わる仕事に興味があったのが受講のきっかけです。高校生の頃からそのような仕事に就けたらと思い、英語の勉強に力を入れていましたが、就職はまだ先のことだと思い、将来についてあまり深く考えてはいなかったため、かなり漠然とした考えだった記憶があります。

しかし、色々な職業を調べていく中で日本語教師という仕事があるということを知り、興味を持つようになりました。他にも興味のある仕事はあったのですが、大学入学後に日本語教員養成課程があることを知り、せっかくなら学んでみようと思い受講を決めました。

どのようなことを学んでいますか?

様々な授業がありますが、中でも魅力的なのは日本語の文法を学ぶ授業です。

私たちは普段無意識に日本語を話していますが、日本語を教えるためには客観的な視点で文法を学ぶ必要があり、その過程で普段話している日本語の複雑さに触れることができるので、日本語の面白さを感じることができます。例えば、色を表す言葉で、赤や青は「○+い」という形で使われるのに対し、黄は「○色+い」という形で使われるのはなぜか、ということについて考える授業は新鮮で楽しかったです。

また、文法だけではなく実際に教師になって授業を行う場合に必要な知識を身に付ける授業もあります。この授業では『みんなの日本語』という日本語学習者のためのテキストをはじめ、様々なテキストに触れて指導方法を分析します。教授法の知識を身につけた上でテキストを見て、どのテキストがどのような人や場面に向いているのかを考えることにやりがいを感じました。

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実習に参加した感想は?

私は国内実習に参加しました。実習の前には、授業の流れや教え方、資料作成などの様々な準備が必要となります。実際にリハーサルをして先生からのご指摘をいただくと、自分の足りないところが分かるので、そのたびにブラッシュアップすることができると同時に、何度も作り直したり付け加えたりするので大変でした。その分、教案が完成した際は本当に嬉しかったです。

実習本番で大変だったことは、学習者のレベルにばらつきがあったことです。ほとんどの学習者が問題を解き終わっていても、誰かがまだ解き終えていないこともあり、全員で足並みをそろえて授業を進行するのが難しかったです。しかし、大変なだけでなく、学習者の方々が一生懸命音読や発表するのを見て、とてもやりがいを感じましたし、緊張もほぐれたのを覚えています。

日本語教員養成課程を通じ、どのような力が身に付きましたか?

日本語のネイティブではない学習者に対して分かりやすく伝えるための「やさしい日本語」を意識できるようになりました。以前、アルバイト先に外国人のお客様がいらっしゃった際、普段使う日本語をそのまま使用するのではなく、少し噛み砕いて分かりやすく伝えることができました。

また、これを活かせたのは外国の方に対してだけではありません。塾講師として小学生に英語を教えることがあるのですが、自分の普段の会話レベルで教えるのでは困惑させてしまうと思うので、より噛み砕いて伝えるようにしています。これも、日本語教員養成課程において、日本語を客観的に見るという経験を積んだことでできたことなのかなと思います。

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将来、学んだことをどのように活かしていきたいですか?

新型コロナウィルスによる行動制限もかなり緩和され、インバウンドの観光客が増えたため、海外の人と関わる機会がこれから先もどんどん増えていくのではないかと思います。そのため、日本語学習者や来日した観光客の方と積極的に交流し、そこでやさしい日本語を使ったコミュニケーションをとってみたいです。

また、SNSを通して日本に興味を持つ人が増えているということを聞いたことがあるので、そういった場でも日本語を普及していけたらいいなと考えています。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学は自分の知識や経験を増やすためのとてもいい環境だと思いますが、本当にあっという間に過ぎてしまいます。そのため、少しでも興味のある授業を積極的に受講してみてください。この課程をやり遂げるのは大変ではないかと考えていましたが、大学生の間にこの経験ができて本当に良かったと思います。

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(学年、掲載内容等は2023年11月取材当時)