待降節はラテン語のAdventus(「到来・来臨」の意)の訳語です。つまり、キリストの降誕(クリスマス)を待ち望む期間を意味しますが、審判者であるキリストの再臨に備える時期であることをも暗示しています。
始まりの日は使徒聖アンデレの祝日(11月30日)に最も近い主日(日曜日)とされているので年によって異なりますが、4回の主日を経た後にクリスマスを迎える季節ということになります。待降節の始まりとともに、クリスマスの飾り付けも始まります。お馴染みのツリーやリースの他にも、クリスマスへの期待をもって主日ごとに灯す蝋燭を1本ずつ増やしてゆくアドヴェント・クランツや、アッシジの聖フランチェスコも飾ったとされるキリスト生誕シーン(プレゼピオ)などがあります。
また、ドイツ語圏などではほぼ待降節に合わせてクリスマス市が開かれますが、中世以来の伝統を誇るミュンヘン・クリスマス市は姉妹都市の札幌でも大通公園を会場に開催されています。
(キリスト教文化研究所 渡邊 浩)