「基礎演習」の時間を利用し、10月に文化総合学科1年生全員で、「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」(北海道立近代美術館)を見学しました。
私たちにとって親しみのあるムーミンですが、今回の展示では作者トーベ=ヤンソンの、ムーミン創作に至る以前のキャリアについても紹介されており、ムーミン以外の作品にもたくさん触れることのできる展示でした。
単なる可愛いキャラクターではない、トーベの人生そのものが反映されている作品として改めてムーミンの物語を知ることができたのではないかと思います。
鑑賞した学生には、感想を書いてもらいました。
印象に残った作品の上位3位は「抽象的な海」「ゴム農園」「仮面舞踏会の前」でした。いずれも油彩で、私たちがよく知っているムーミンの絵とは雰囲気が全く違うものです。
これを選んだ学生からは、
「1930年代からの作品を見てきて、一番変化を感じた作品でした。見ると、確かに波飛沫や波が見えますが、空か海かの判別もしづらくとても興味深い作品でした。/トーベヤンソンというと、ファンタジーな世界観をイメージしていたので、このような本格的な絵画を描いていることに驚いた。(抽象的な海)」
「他の作品とは違う感じでノペッとしたテイストの絵だったのが衝撃でした。他の作品は影など光の加減を入れていたがこの作品はそのようなのが少なかったように思えました。(ゴム農園)」
「色使いが淡くてとても好きでした。タッチも他の作品よりも描き込みが細かい方で綺麗だと感じました。(仮面舞踏会の前)」
という感想があがっており、解説も読みながら作品をしっかり鑑賞した様子がうかがえました。
また、全体の感想として「ムーミンについては人気のキャラクターとしか思っていなかったが、トーベがムーミンを考え出した背景や戦争との関連を知ることができて良かった。もともと知っていたことと、今回学んだことを関連づけられて良かった。」というものもありました。
美術展見学自体については「意外と美術館鑑賞は面白いんだなと分かった。/今までは親に誘われて行ったり興味のあるものを選んで行ったりしていたけど、今度からはあんまり興味がないものでも気軽に行ってみたいと思った。」という声があがっていました。
文化総合学科では様々な文化に触れる体験をしてもらうため、授業内外で色々な試みをしており、美術展見学の企画もその一つです。今回の美術展見学をきっかけとして、学生の皆さんが新しい経験を重ねて豊かな学生生活を送ってもらえるよう願っています。