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2024.10.16
学部・学科
    #日本語・日本文学科

第60回藤陽祭 日本語・日本文学会による古本市と研究発表会のご報告

10月12日(土)に開催された藤陽祭において、今年度も本会の学生運営委員が中心となり古本市と研究発表会を開催しました。
卒業生をはじめ学内外の多くの方々にお越しいただきました。ありがとうございました。

古本市
恒例の古本市には学生運営委員のほか本学科の一般学生からの運営への協力もあり、おかげさまで670冊あまりの書籍を販売し、売り上げは12,686円となりました。この収益は例年同様日本赤十字社の災害義援金へ寄付させていただきます。
書籍は学内外の方々から無償でご提供いただいたものです。ご協力くださった皆様方、また、古本市へ足をお運びくださった皆様方へ心よりお礼申し上げます。

古本市.JPG

研究発表会
研究発表会では本学科学生と教員による二つの発表を行いました。
学生による発表は北海道立文学館で開催中の特別展「氷室冴子の世界 ふくれっつらのヒロインたち」の見学を踏まえ、「氷室冴子の世界」と題し2年生3名が行いました。本学卒業生でもある故・氷室冴子さんのデビュー作『さようならアルルカン』(1979年)、最初のヒット作『クララ白書』(1980年)、再刊なども含めシリーズ累計800万部突破の代表作『なんて素敵にジャパネスク』(1984〜1991年)の三作品を取り上げ、「ふくれっつら」のヒロイン像を考察しました。

また、今年度で退職される揚妻祐樹教授の研究発表は退職記念講演としての発表となりました。タイトルは「日本語学から見たサザンオールスターズの楽曲」。明治期以降、日本では西洋音楽をどのように土着化するか、多くのミュージシャンたちが種々の試みをしてきました。たとえば「カチューシャの歌」では、小学唱歌にみられるヨナ抜き長音階に、民謡などにみられるユリの技法を取り入れるなどの工夫が見られます。サザンオールスターズ(桑田佳祐)の音楽もまた、西洋からもたらされたロックンロールをどのように土着化するかという文脈でとらえることができます。具体的には、ノリ重視で、等拍性という日本語の音構造を無視した初期の音楽から、ソロ活動時期の日本語開眼を経て、歌詞全体(意味、音の両面で)で一つの世界を構築するように変貌したことが述べられました。
発表では実際に音楽もかけられ、耳と頭と両面からサザンオールスターズの楽曲が楽しめる内容でした。

学生による研究発表
学生による研究発表
揚妻教授による研究発表
揚妻教授による研究発表

なお、揚妻教授のご発表は動画で配信いたします。
学外一般の方で視聴を希望される方は下記のQRコードまたはこちらからお申込みください。視聴URLをお送りいたします。
(視聴期間:2025年3月31日)

動画視聴申込みフォーム
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