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地域連携
    #食物栄養学科

Mizkan・和寒町との和寒越冬キャベツの研究

活動期間:2020年4月〜2023年3月
担当教員:食物栄養学科・食物栄養学専攻 中河原俊治(教員紹介
連携先:株式会社Mizkan

活動内容は?

道北の和寒町は多雪地域であることを利用して、収穫したキャベツを雪中で貯蔵してから和寒越冬キャベツとして出荷しています。肉厚で甘みがあり、鍋物など冬の食卓には欠かせない野菜のひとつです。
食品学研究室では株式会社Mizkan様と協働し、和寒町の協力を得て、このキャベツの特徴を科学的に解明しています。
キャベツはアブラナ科野菜で、さまざまな生理活性成分を含んでいることが知られています。それらの中には抗がん作用として知られる化合物もあります。また、胃腸薬として知られる成分も豊富です。
食品学研究室のゼミ生はこの興味深い野菜を材料として卒業研究テーマとして取り組み、越冬キャベツの有用成分を最新の分析機器を用いて分析し、それらが越冬期間中にどのように変化するのかを調べています。

学生の関わりは?

3年生後期から食品学ゼミを希望し、卒業研究に取り組む学生は、まず演習科目でキャベツの成分に関する英文学術論文を読むことから始めます。専門用語や最新の分析方法の英語での記述に戸惑いながらも一文ずつ読み進めます。たんなる英文和訳だけでなく、示されている化合物がどのような化学構造でどのような働きを持っているのかなど深く調べながら読むので時間はかかりますが、英文で情報収集する力が確実についていきます。
このような基礎知識を蓄え、4年生から本格的に実験を開始します。実験方法も論文を検索してより適した分析方法を探りながら進めます。論文の記述通りに行ってもうまくデータが出ないことがしばしばありますが、指導教授と議論しながら解決策を考えていき、うまく行く方法を見つけたときの達成感でそれまでの苦労も吹っ飛びます。12月には卒業研究発表会で成果を発表し、それを卒業論文にまとめたら研究者の卵の完成です。

今後の目標は?

わが国の食糧基地として北海道はさまざまな作物を生産していますが、それらにはまだよく知られていない機能を持つものも少なくありません。そういった食品を化学的に理解し、その研究成果を通してより豊かな食生活の実現につなげたいと考えています。

研究の一部を第77回日本栄養・食糧学会大会(2023年5月14日)で発表しました(藤女子大学名誉教授知地英征先生、助手石川世菜先生と)
研究の一部を第77回日本栄養・食糧学会大会(2023年5月14日)で発表しました(藤女子大学名誉教授知地英征先生、助手石川世菜先生と)