第21回(平成18年度)管理栄養士国家試験対策2006年11月6日
  食べ物と健康「食品学総論および各論」の過去問題の解説とポイント                          藤女子大学  知地英征


食べ物と健康  (参考図書 食べ物と健康I, II, III(三共出版))
  (食品学総論、各論)、食品加工学食品機能学、調理学、食品衛生学)

教育目標
食品の各種成分を理解する。また、食品の生育・生産から、加工・調理を経て、人に摂取されるまでの過程について学び、人体に対しての栄養面や安全面等への影響や評価を理解する。
  ・人間と食べ物の関わりについて、食品の歴史的変遷と食物連鎖の両面から理解する(新設)
  ・食品の栄養特性、物性等について理解する。
(食品学総論、食品学各論:食べ物と健康I及びII)
  ・新規食品・食品成分が健康に与える影響、それらの疾病予防に対する役割を理解する。
   (食品加工学、食品機能学:食べ物と健康III)
  ・栄養面、安全面、嗜好面の各特性を高める食品の加工や調理の方法を理解して修得する。
(食品加工学、調理学)
  ・食品の安全性の重要性を認識し、衛生管理の方法を理解する。(食品衛生学)

出題のねらい
 専門科目における学習内容を効果的に修得し、実践に向かうより高度な応用力を身につけるために、基本的な食品ならびに食品の持つさまざまな情報について理解していることが求められる。
 それゆえ、専門基礎科目である、「食べ物と健康」では、その基礎となる食に関する基礎概念と知識・技能に関する事項を評価することを出題のねらいとする。
1)食品に含まれる各種成分の化学構造ならびに物性、その栄養素供給源としての働きや健康に対する働きかけ(食品の機能性)についての理解を問う。
2)食品の生産から加工・調理を経て、人に摂取されるまでの一連の過程及び人体に対しての栄養面や安全面等への影響に関する項目について出題する
3)管理栄養士の実践活動としての表現形である食事設計の基本について、栄養素補給、嗜好特性、安全性、合理性の向上という諸側面を理解しているかを評価する。いわゆる「健康食品」の有効性・安全性については、科学的根拠に基づいて対応できることが管理栄養士に期待されることから、少なくとも、その重要な用語とその概要を理解していなくてはならない。 
4)食生活の基盤を支える食品の安全性について、その重要性と安全性確保の方法、衛生管理の方法などについての知識を問う。

五訂日本食品標準成分表(以下、五訂という)が見直され、五訂増補日本食品標準成分表(以下、五訂増補という)に変更された箇所(収載成分項目、算出方法など)があるので、注意する。

資料の見方
1)資料中のマークは、e-learningに、資料の掲載と音声が入力されています。
2)平成17年度に出題(05-150):平成17年度国試150番目の問題
3)理解度チェックの解答と解説は、資料の最終ページに掲載してある。□□は自分でのチェック箇所に使って下さい。
4)理解の助けになるためにcf.の項目を追加してあるが、この講習会では、説明を省略することがある。


第1章 人間と食品   
1-1 食品の歴史的変遷
   人間が生きるための食糧確保→食物の選択→農業、畜産、水産の発展(食物の安定確保) 
    20世紀後期「緑の革命」…穀物類の多収量品種の開発によって穀物収量の劇的増加
  日本人の食生活の歴史
    稲作開始(主食に米、主菜に豆、魚介類、副菜に野菜、海草)→(第二次世界大戦)→食糧難
    →(1960年代の高度成長)→食品加工と保存技術の発達、輸入品の増大→食生活の欧米化
    →動物性食品摂取の増大→(女性就労者の増大、核家族化)→食の簡便化(ファーストフード、
    冷凍食品、レトルト食品)→肥満など生活習慣病の増加

1-2 食物連鎖
   生物における食べ物の相互関係を、食べるもの(捕食者)と食べられるもの(被食者)との関係
   として捉え、順々に1つの系列として示したものを食物連鎖(フードチェーン)という。

   土壌→微生物(分解者)→植物・プランクトン→草食性動物・魚類→肉食性動物・魚類
                (生産者)      (消費者)    (消費者)
figure48
                     
figure49

                          人(消費者)       
   
  人は食物連鎖の頂点に立っているが、食物連鎖を通じて生物濃縮された高濃度の有害物質
  を最終的に体内に取り込む危険性がある。
  (メチル化水銀による水俣病、ポリ塩化ビニル(PCB)による中毒症、貝毒による食中毒)
       


1-3 食べ物と栄養  
   食品には身体に必要不可欠な栄養素が含まれており、その種類は炭水化物、たんぱく質、脂質、
   ミネラル、ビタミンの5種である。

栄養素の持つ機能は、体内での働きによって大別すると以下の3つに分類される。
 @生活活動のエネルギー源:炭水化物、たんぱく質、脂質。
 A身体の構成成分:たんぱく質、ミネラル、脂質。
 B身体の機能調節成分:ビタミン、ミネラル。

cf. 食品には、栄養性の他に、嗜好性や機能性を有しており、特に、近年、食物繊維やポリフェノールなどの非栄養成分に関し、その機能性が明らかにされ、人にとって重要な成分であることがわかってきている(食物繊維は、第六の栄養素と呼ばれるようになってきた)。

1-4 食嗜好の形成
食嗜好の形成に関わる要因:先天的要因と後天的要因
1)先天的要因食嗜好(生まれもった食嗜好):人種、性別、体質、5原味等。
(甘味や塩味等:生理的欲求による受容。苦味、酸味等:生体防御の機能)
2)後天的要因による食嗜好(食経験など):食べ物の味、香り、テクスチャー等の積み重ねの知覚が、生理的快感として記憶され食嗜好を形成する。そのほか、食べた時の食事環境、とくに好ましい集団との食事は心理的快感として記憶され、また、地域の気候風土や習慣、社会の流行現象、健康情報等の環境要因や社会要因の影響を受けて食嗜好が形成されていく。
加齢による食嗜好変化の理由:生理的要因のみだけでは説明がつかず、社会的・家庭的立場の変化、あるいは食に対する考え方の変化等も影響している。



1-5 食料と環境
1)トレーサビリティ☆☆
 近年の情報通信技術と輸送手段のめざましい発展によって、世界各地の食資源(農水畜産物)が、短時間で我が国の食卓に届くようになった。一方では、BSE問題や食原料の原産地偽装表示問題など、消費者の食の安全性への信頼感を失われる事件が勃発した。
 そこで、生産者と消費者の間の情報交換を交換しあえるシステム(トレーサビリティ:Traceability)が構築され、消費者が食品の生産、加工、流通の各段階の情報を遡って検索できるようになった。

2)フードマイレージと地産地消☆☆
 食料が生産地から食卓に届くまでに、輸送に伴う膨大なエネルギーが費やされる。

エネルギーの消費は地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出を伴い、地球環境に大きな影響をもたらす。このため、環境負荷の要素を加えた指標として提唱されたのがフードマイレージ食料総輸送距離=農産物輸入量×輸送距離)である。我が国のフードマイレージは輸入量が多いことからも他国と比べ、かなりこの数値が大きい。
 cfフードマイレージは、輸出国から我が国までの輸送距離であるが,ここでは便宜的に,それぞれの国・地域の首都から東京までの直線距離
  (両都市間の大圏距離)で 試算している。
日本、韓国、米国のフード・マイレージ(2000年)
 日本:5,000億トン・Km(各都市から東京、食料輸入量は5,300万トンとして計算)
 韓国:1,500億トン・Km(日本の3.3分の1)
 米国:1,400億トン・Km(3.6分の1)

 このため、最近では、地産地消(地場生産・地場消費の略:地域で採れた食資源を地域で消費する)やスローフード(伝統的な地場食品を守る)の考え方が浸透しつつあり、消費者も、環境のことを考え、環境に配慮した商品の選択、購買を行なうグリーンコンシューマー(緑の生産者)としての意識を持つことが重要となっている。

 cf. 地場地消(地場消費):地場でとれるもの、地場で優れた産品を地元の人が消費すること。
 スローフード:この語は、ファストフードと対立するものという意味で作られたが、決してファストフードを否定・排斥するものではない。グローバリズム(地球規模化)には、ローカリズム(地域密着主義)を対置させる。その意味では、村おこし運動などとも関連がある。シンボルマークは、カタツムリである。ゆっくり、のんびりと、の意。

 食品の製造・流通・消費時の調理残存等による食品廃棄が増え、同時に食品容器や包装も廃棄物として増加しており、環境問題となっている。食品廃棄物の排出量は、家庭から約1,000万トン、食品流通・外食産業から約600万トン、食品製造業から約350万トンと推定され、食料供給料の約6,600万トンに対する排出量は約30%である。また、食品ロス率も約5%である。ごみの減量や資源リサイクルの観点からも、排出抑制に取り組むとともに食品のリサイクルシステムの確立が重要となっている。



問題1 食料と環境に関する記述である。正しい組み合わせはどれか。
a 食品ロス統計調査結果によると、世帯食の食品ロス率は年々増加している。
b わが国は輸入量が多いことからフードマイレージが大きい。
c 地域でとれた食品を、地元で消費する運動を地場消費という。
d フードマイレージは、輸入先の食料が出荷された国の首都から、東京までの直線距離と
 その食料の輸入量を掛けたものである。
(1)aとb (2)aとc (3)bとc (4)bとd (5)cと
            管理栄養士国家試験の傾向と対策2007(南江堂)を改編した           解説 
a 年々減少し、現在約4%である。
b フードマイレージとは「農産物輸入量×移動距離(首都から東京までの直線距離)」のことであり、環境負荷の要素を加えた指標である。すなわち、輸送にエネルギーを費やすと、その分環境を汚染することを意味する。
d 輸入先の首都から東京までの直線距離で試算している。         答(4)



第2章食品成分表

2-1五訂増補日本食品標準成分表
 五訂日本食品標準成分表(以下、五訂という)が見直され、五訂増補日本食品標準成分表(以下、五訂増補という)に変更された箇所(収載成分項目、算出方法など)があるので、注意する。
主な変更点
@収載食品の一部についての見直し。
  全収載食品 1,878種 (五訂では、1,882種)☆★ 覚え方 いやなやつ(1878)
  品群:18食品群。配列は、植物性食品、動物性食品、加工食品の順に改めた(五訂も同じ)
        食品群の名称のうち、「獣鳥鯨肉」を「肉類」に変更した(五訂も同じ)。
  ◎収載されている成分値:年間を通じて、普通に摂取する場合の全国的な平均値であり、
              「1食品1標準成分値」を原則とする。
              ただし、ほうれんそうかつおなど旬のある食品については、季節に
              よる差異が明記してある。
A収載成分のうち、ビタミンAについて、レチノール当量の算出方法の改正。収載成分としてレチノール、 レチノール当量、β-カロテン当量(カロテン表示)だけでなく、α-、β-カロテン、クリプチキサン チンの成分値も収載。
 ビタミンEについて、α-トコフェロール当量表示ではなく、α-、β-、γ-、δ-トコフェロールの 成分値を収載。

参考表 五訂増補成分表で変更した収載成分項目









figure135








2-1理解度チェック (プリントの最終ページに解答があります)。
1)□□食品成分表の成分値は、その食品の可食部100g当たりの数値が1食品1成分値の原則で
    示されて(いる、いない)。
2)□□デヒドロアスコルビン酸(酸化型)の生物的効力はL-アスコルビン酸(還元型)と同等と
   (見なす、見なさない)。
3)□□アスコルビン酸の数値は還元型と酸化型の合計値(総ビタミンC)で表示されて
   (いる、いない)。
4)□□ビタミンEは、(α〜δ-トコフェロールの成分値、 -トコフェロール当量)を収載して
    いる(五訂増補)。☆☆
5)□□脂肪酸の飽和、一価不飽和、多価不飽和で表示されている。その合計値は、脂質量に(等しい、
    等しくない)。




特別用途食品(1〜5まで):乳児、幼児、妊産婦、病者など特別な健康状態にある人々を対象と
  して作られた加工食品で次のように分類される。「栄養改善法」(「健康増進法」に改正)に規定。
 
 1)妊産婦授乳婦用粉乳:妊産婦、授乳婦の栄養状態を考え、カルシウム、ビタミン類
   などを補給した粉乳
 2)病者用特別用途食品:特定の栄養成分を増減した食品     
   ◎病者用単一食品
    低(ナトリウム、エネルギー、たんぱく質)食品、無(低)たんぱく質・高エネルギー食品、
    無乳糖食品、高たんぱく質食品、アレルギー疾患用食品など。
   ◎病者用組み合わせ食品
    減塩食調製用組み合わせ食品、糖尿病食調製用組み合わせ食品、肝臓病食調製用組み合わせ食品、
    成人肥満症食調製用組み合わせ食品など。
 3)乳児用調製粉乳:原料の牛乳を母乳に近づけた母乳代替食品。
 4)高齢者用食品:そしゃく(咀嚼)困難者用食品とそしゃく・えん(嚥)下困難者用食品   
          平成17年度に出題(05-133)
A,5)特定保健用食品:食品中の体調を整えるなどの機能を示す成分を加えり、アレルギーを起こす
    成分などを食品から取り除いて作られた加工食品。
    ただし、この食品は、その有効性が科学的に証明されることが必要であり、その有効性が
    認められたものについてのみ、健康にどのように有効であるかを表示することが許可されている。
    新たに、平成17年2月に「条件付特定保健用食品」、「特定保健用食品(規格基準型)」、
    「特定保健用食品(疾病リスク低減表示)」が加わった。許可認証票必要(資料2)
B)栄養機能食品 (平成17年度に出題:05-150)
    ビタミン、ミネラルなど特定の栄養成分を一定量含む食品。
   機能や成分量、摂取目安量を厚生労働省の基準に従い表示する。
  
 ☆「保健機能食品制度」:食生活が多様化し様々な食品が流通する今日、消費者の方が安心して食生活の状況に応じた食品の選択ができるよう適切な情報提供をすることを目的として平成13年4月に創設された制度。
保健機能食品」は、上記のA)「特定保健用食品」とB)「栄養機能食品」の2つに分類される。
<名称及び分類>






562.jpg2-1(続き)理解度チェック
6)□□保健機能食品には、(特定保健用食品、特別用途食品)と栄養機能食品とをあわせた名称
    である。 
7)□□保健機能食品制度は、厚生労働省によって(健康増進法、食品衛生法)に基づき平成13年
4月1日に施行された制度である。
8)□□特定保健用食品は、(個別許可型と規格基準型、規格基準型のみ)からなり、健康の維持、     増進に役立つ又は適する旨を表示することを、厚生労働大臣により許可又は承認された食品で
    ある。(平成17年2月1日改正)
9)□□保健機能食品ではない一般の食品(いわゆる健康食品を含む)については、栄養成分の機能や
     特定の保健の用途に適する旨の表示を(してはいけない、しても良くなった)。
10)□□ビタミンAの前駆体である -カロテンについて、ビタミンAと同様の栄養表示を(認める、
     認めない)。この場合、「妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならない
     ように注意してください」という注意喚起表示は、(必要ない、必要である)。



2-2成分項目
1)食品成分の分析
  ○窒素-たん白質換算係数   食品中のたんぱく質含量=食品の全窒素量 6.25
   ケン化価、ヨウ素価、酸価、★過酸化物価(油脂の酸化によるヒドロペルオキシドを定量)
                (平成17年度に出題;05-139)
2)食品成分表の用い方
  ビタミンAおよびDの単位の表示、カロテン含量の表示方法

☆エネルギー換算係数と単位表示
a)収載している食品で、エネルギー換算係数が定められている食品についてはその値を採用している。
b)適用する係数が明らかでない食品はアトウォーター換算係数(たんぱく質; 4 kcal/g, 脂質; 9 kcal/g,
炭水化物; 4 kcal/g)を用いて算出されている。
c)きくいもこんにゃく、「きのこ類」、「藻類」、昆布茶について、被験者ごとのエネルギー利用率 の測定値の変動が大きいことなどから、エネルギー換算係数を定めがたかったが、五訂では、暫定的な 算出方法として、Atwaterの係数を適用して求めた値に0.5を乗じて算出することとした。
d)五訂食品成分表では、エネルギーの単位はkcalとkJの併記されている。



2-2「五訂および五訂増補食品成分表」 
理解度チェック(平成15年度出題03-134)
1)□□ 収載している食品のエネルギーは、すべてアトウォーター換算係数を用いて算出されて
    (いない、いる)。 
2)□□ アルコールのエネルギー換算係数は(0 kcal/g、3.5kcal/g、7.1kcal/g)としている。
3)□□ 酢酸のエネルギー換算係数は(0 kcal/g、3.5kcal/g、7.1kcal/g)としている。
4)□□ kcalからkJへの変換式は、1kcal=(8.348KJ、4.184kJ)である。
5)□□ こんにゃく、きのこ類、藻類などの食品は、エネルギー利用率に個人差が大きいことから
     五訂成分表では、エネルギー値が(暫定的に記載されている、算出されていない)。
6)□□ 五訂増補では、レチノール当量の算出方法は、レチノールとβ-カロテン当量に係数(1/6、     1/12)を乗じたものとの合計で求めるように変更された。☆☆(平成17年度出題;05-133)



四訂から五訂成分表の項目変更(五訂増補も同じ)
a)糖質、繊維の項目が廃止され、「炭水化物」とされた。  
b)ビタミンAについて、ビタミンA効力(国際単位IU)表示から,レチノール当量( g)で表示。
  ビタミンDについてもビタミンD効力(国際単位IU)表示から、重量単位( g)で表示される。
c)野菜類において、四訂成分表で、緑黄色野菜を「有色野菜(有)」として表示されていたが、五訂
  成分表では、表示されていない(五訂増補も同じ)。しかし、別表に「可食部100gあたりカロテン  含量が600 g以上のもの」を「緑黄色野菜」として追加して取り扱われている(平成17年度出題;(05-133)
d) みそ類は、四訂で「豆類」に分類されていたのを「調味及び香辛料」に移した。
e)バターは、四訂で「乳類」に分類されていたのを「油脂類」に移した。(平成17年度に出題;05-133)
「五訂増補食品成分表」理解度チェック
7) □□うるち米ともち米の成分値は、それぞれ独立した成分値として収載されて(いる、いない)。
8) □□従来、国民栄養調査においてエネルギーの栄養素別構成比として示されてきた「糖質」は、
    「炭水化物」として(示すことができない、示すものとする)。
9) □□ビタミンAは、(ビタミンA効力(IU)、レチノール当量( g))で表示される。
10)□□ビタミンAにおいて、五訂増補では、レチノール、レチノール当量、β-カロテン
  当量の他にα-,β-カロテン及びクリプトキサンチン量を収載(する、しない)こととした。☆
11)□□ビタミンDは、(ビタミンD効力(IU)、重量単位( g))で表示される。  
12)□□野菜類において、カロテンを600 g/100g以上含むものを「有色野菜」として表示されて
     (いない、いる)。
             


第3章 食品成分の特性と化学構造                     
3-1.水分
  ○水分活性、結合水、自由水、○中間水分食品(水分活性と微生物の生育との関係)
  
自由水:105℃の温度で簡単に蒸発し、約0℃で凍結する水。
    微生物利用可能
結合水:たんぱく質、糖質や有機酸などの - NH2, -COOH, -OH,
    >C=Oなどの官能基と主として水素結合している水和水である。食塩などの塩類とはイオン結合している。
    微生物が利用できない

   食品中の水分の状態を知る目安(指標)
食品の蒸気圧P)
     ☆水分活性(Aw) = <1(純水の場合のAwは1である)
                純水の蒸気圧(0) 常に1より小さい
                           (平成17年度に出題;05-134)
 アミノカルボニル反応は、水分活性が0.8以上高い時と、
0.4以下の時、もっとも遅い

  ○微生物が利用可能な水分は、自由水である。
   食品の品質の安定や貯蔵性を高めるためには、食品中の自由水を出来るだけ少なくし、結合水を
   多くすると良い。
   微生物が繁殖する限界水分活性
   細菌 0.99〜0.94、酵母 0.88、糸状菌 0.88〜0.70

中間水分食品:水分20〜40%で、水分活性が0.60〜0.85くらいでやわらかく、そのままで食べ
         られる食品。 (食品加工学の資料参照)            


○食品中の水は、自由水でも結合水でも同じH20であり、結合する相手(食塩、砂糖、有機酸など)によって、その性質(氷点、沸点、水蒸気圧、微生物の利用度)が変わる。



3-1水分活性に関する理解度チェック  (03-134)参照
1)□□食品に食塩またはショ糖を同モル濃度になるように添加した場合、食塩を添加した食品の方が、
    水分活性値は(高い、低い)。
2)□□脂質の酸化は、水分活性が極めて低い場合には、(起こりやすい、起こりにくい)。
                                     
3)□□乾燥中の食品か吸湿中の食品で、水分含量が異なる場合、水分活性値は(同じ値を示す、
   異なった値を示す)ことがある。食品加工学の「吸湿脱湿曲線、履歴現象のループ」参照
4)□□アミノカルボニル反応による褐変は、中間水分活性付近でもっとも(起こりにくい、起こり     やすい)。
5)□□微生物が利用可能な水は、(自由水、結合水)である。

0-134 食品中の水についての記述である。誤っているのはどれか。
(1)一食品中の自由水と結合水の状態を表わす指標として水分活性が用いられる。
(2)水分活性(Aw)は一定温度での純水の蒸気圧(Po)に対する食品の蒸気圧(P)の比(Aw=P/Po)で
  示される。
(3)結合水は食品中のたんぱく質や糖質などと主として共有結合で結びついている。
(4)一般に水分活性0.7以下の食品では通常の細菌、酵母、カビは繁殖できない。
(5)マーマレードなどの食品は、水分含量が高いが水分活性は低く保存性が高く、中間水分食品と呼ば  れている。

0-134解答
(1), (2) 正しい。   
(3)誤り。食品成分の官能基との結合は、共有結合ではなく、水素結合である。
(4), (5) 正しい。                               解答(3)  
   第一出版「管理栄養士国家試験問題と解答」(以下、第一出版問題集と略す)では、(3) 
   医歯薬出版「管理栄養士国家試験問題集」(以下、医歯薬出版問題集と略す)では、(1)

02-134. 食品に含まれる水に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a ジャム、ゼリー、乾燥果物、ドライソーセージ、ようかん、魚の干物などのような食品は中間水分
  食品と呼ばれ、水分活性は1である。
b 食品中に含まれる多糖、でんぷん、ペプチドその他の生体高分子などの表面に 直接結合している
  水は、水2〜3分子の層から成る多分子層の水である。
c 食品中の結合水は、構成成分と水和して束縛された状態や微細構造内に閉じ込められた状態にあり、  純水に比べて蒸発しにくい。
d 酵母の生育に必要な最小の水分活性値は、カピと細菌の値の間に存在する。
     (1)aとb (2)aとc (3)bとc (4)bとd (5)cとd

1-146.  食品の水分に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a.  食品中の結合水とは、食品構成成分に共有結合している水分のことである。
b.  水分活性とは、全水分中の結合水の割合を示すものである。
c.  水分活性が低いほど、微生物の繁殖は抑制される。
d.  食品中の結合水は凍結乾燥によって除去することができない。
     (1)aとb  (2)aとc  (3)bとc  (4)bとd  (5)cとd

1-146. 解説とポイント(組み合わせ問題)食品加工学の出題範囲でもある。
(a)誤り。結合水は食品構成成分と水素結合やイオン結合している。共有結合ではない。
(b)誤り。水分活性は食品中の自由水の割合を示すものである。
     水分活性=食品の蒸気圧÷純水の蒸気圧 (値は1より小さい)
(c)正しい。微生物の生育が可能な水分は、自由水であるので、水分活性の値が低いほど、微生物の      繁殖が抑えられる(水分活性を低くする方法:乾燥、塩蔵、糖蔵)
(d)正しい。結合水は、加熱や凍結乾燥などで脱水した場合も容易に除かれない。
                                     解答 (5)


3-2.炭水化物     
  オリゴ糖(ラフィノース, セロビオース, スクロース,マルトース, ラクトース)、
  フラクトオリゴ糖、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、食物繊維

 ブドウ糖(グルコース)の製造:デンプンを原料にしてα-アミラーゼとグルコアミラーゼの作用に
 よって、ブドウ糖を製造し、その後にグルコースイソメラーゼを作用させ異性化糖を製造する。
  直接この高分子のデンプンにグルコースイソメラーゼを作用させても異性化糖を製造することはでき
  ない(このような引っかけ問題が多い)
                                   グルコース
   ○-○-○-○- α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ       イソメラーゼ
  ○-○-○-○-○-○-○-○- → → → → ○-○ → → ○ → → ▲  
  デンプン  ○-○-               ブドウ糖   果糖
                        (異性化糖:ブドウ糖と果糖の混合物をいう)  ○還元糖と非還元糖
     還元糖              還元性     非還元糖

1-133.  食品の炭水化物に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)異性化糖はデンプン液にグルコースイソメラーゼを作用させて製造される。
(2)ラクトースはD-ガラクトースがβ-1,4グルコシド結合でD−グルコースに結合した非還元性   の二糖類である。
(3)セルロースはD−グルコースがα-1,6結合で重合した多糖類でヒトの消化酵素では分解され
  ない。
(4)ペクチンの主要構造はD−ガラクツロン酸がα-1,4結合した高分子で力ル ボキシル基は部分的  にメチルエステル化している。
(5)完熟した大豆の種子の炭水化物の主成分はデンプンである。

1-133. 解説とポイント
(1)誤り。異性化糖はブドウ糖液にグルコースイソメラーゼを作用させて製造する。 
(2)誤り。ラクト―ス(乳糖)は、D-ガラクトースがD-グルコースとβ-1,4結合した二糖類で
   あるが、還元性がある。β-1,4グルコシド結合  
 

figure351

  糖類には、還元糖と非還元糖がある。
  天然に存在する還元糖には、キシロース、アラビノース、グルコースフルクトース、ガラクトース、  と二糖類のマルトースラクトースなどがある。非還元性二糖類には、スクロース(ショ糖)トレ  ハロースなどがある。
(3)誤り。セルロースはD-グルコースがβ-1,4結合した多糖類であり、人の消化酵素では分解され
  ない。
  食物繊維の定義も覚えておこう。
(4)正しい。ペクチンの中に、高メトキシルペクチンと低メトキシルペクチンがある。
(5)誤り。完熟大豆種子の炭水化物は、デンプンではなくオリゴ糖(スクロース、スタキオース、ラフィ  ノースなど)である。


その他の注意点
 デンプンとセルロース、どちらもD-グルコース同士が多数結合した多糖類。
 デンプン:アミロースはα-1,4結合、アミロペクチンはα-1,4結合と一部α-1,6結合
 セルロース:β-1,4結合。この結合の仕方(結び目の形の)違いによって人が消化できるかどうか
 が異なる(アミラーゼはα-1,4結合を切ることができるがβ-1,4結合を切ることができない)
                                         解答 (4)
覚え方
アミロースamylo-澱粉)は、ブドウ糖の串だんご。アミロペクチン(amylo(澱粉)の中でペクチン様ねばりがある)は、アミロース串だんごのところどころに枝分かれ



☆食物繊維 (栄養学でも出題される)
 食物繊維(ダイエタリーファイバー、DF)は、セルロール(繊維)だけではなく、「人の消化酵素で
 分解されない難消化性食物成分」を総称して言うので、セルロース、ヘミセルロースとペクチン(多
 糖類)および、リグニン(非炭水化物フェニルプロパン系高分子化合物)などのほかに、甲殻類の
 キチンやそのアルカリ処理したキトサンや化学修飾多糖類(ポリデキストロール、カルボキシメチル
 セルロースなど)も含めるようになった。最近では、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)
 フラクトオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖も食物繊維と同じような生理作用が認められている。



3-2炭水化物に関する理解度チェック
1)□□キチンは甲殻類の殻やキノコの細胞壁に含まれる(不溶性、水溶性)食物繊維である。
2)□□非炭水化物系の食物繊維の構成成分として(シニグリン、リグニン)がある。
3)□□セルロースを構成しているグルコースは(D型、L型)である。
4)□□ヘミセルロースの中で、キシランは(五炭糖、六単糖)のD-キシロースが主成分である
(β-1,4結合している)。

3-2(続き)オリゴ糖に関する理解度チェック☆
1)□□オリゴ糖は通例単糖が(2〜数個、10〜30個)連なった少糖類を指す言葉で、
日常食品に多く含まれる(ショ糖(スクロース)、デンプン)も含まれる。
2)□□フラクトオリゴ糖とは通例ショ糖の(ぶどう糖側、フルクトース側)に1〜数個の果糖が
結合したものをいう。 
3)□□フルクトオリゴ糖は、(難消化性オリゴ糖、易消化性オリゴ糖)であり、虫歯の予防効果や
  ビフィズス菌の(生育促進効果、生育抑制効果)がある。
4)□□フルクトオリゴ糖は、スクロースにフルクトース転移酵素を働かせて製造されるが、
(たまねぎやアスパラガス、じゃがいもとさつまいも、柑橘類とリンゴ)に含まれている。
5)□□ラフィノースは大豆中の三糖類のオリゴ糖で、(消化されにくい、消化されやすい)。
     ビフィズス菌増殖因子となる。 

フルクオリゴ糖はフルクト―ス残基にフルクトースが結合したものである(上の構造)。


 大豆、ビート中に含まれる非還元性オリゴ糖
  ラフィノース: ガラクトース(1→6)グルコース(1→2)フルクトース
  スタキオース:ガラクトース(1→6)ガラクトース(1→6)グルコース(1→2)フルクトース 

3-3.脂質
  キーワード:中性脂肪(トリアシルグリセロール)、ケン化価、ヨウ素価、酸価、
         ☆n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸

              3つ(トリ)の脂肪酸(酸性)がグリセロールと結合(エステル結合)し
              中性(中和)になった脂肪だから中性脂肪(トリアシルグリセロール)               と覚える

□□  -リノレン酸(n-3系)からイコサペンタエン(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)が体内で
   合成される。
□□ リノール酸(n-6系)からアラキドン酸が生合成される。




3-3脂質の分析に関する理解度チェック ☆
1)□□アルカリで油脂を石けん(脂肪酸の塩)とグリセロールに分解することを(ヨウ素化、ケン化)
という。
2)□□ケン化価が大きい油脂より小さい油脂の方が、構成脂肪酸の平均炭素鎖は(長く、短く)なる。
    ○油脂のアルカリ分解に要する水酸化カリウムのmg数/油脂1g
3)□□油脂に吸収されるヨウ素の量で表した(ヨウ素価、ヨウ素化)は、構成脂肪酸の
   (不飽和度、飽和度)、すなわち(二重結合、共有結合)の程度を表している。
     ○油脂に吸収されるヨウ素のg数/油脂100g
4)□□ヨウ素価が大きい油脂ほど(酸化されにく、酸化されやすい)。
       
5)□□油脂が分解されて生成した遊離脂肪酸の量を調べるために(酸価、酸化)が指標として
   用いられる。  ○遊離脂肪酸の中和に要する水酸化カリウムのmg数/油脂1g
(003-148)
6)□□n-6系の不飽和脂肪酸は、(カルボキシル基、メチル基)側から数えて最初の二重結合を
構成する炭素が6番目のものをいう。
7)□□飽和脂肪酸のうち炭素数が(6個、12個)以上のものは、常温で固体である。

1-135.  脂質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)植物油を160〜200℃に加熱して使用すると空気中の酸素によって酸化され過酸化物(ヒドロ
ペルオキシド)が生成増加して蓄積される。
(2)加熱によって起こる脂質の変化は、脂質を長く常温で空気中に置いて起こる酸化の過程とは全く
  異なった機構で起こる。
(3)植物油は一般にヨウ素価が高いが、ヨウ素価の高い油脂は酸化されにくい。
figure435
(4)分子量の小さい脂肪酸を含むバターでは、けん化価やライヘルト・マイスル価は低い。
(5)大豆油、米ぬか油、とうもろこし油などに多いリノール酸は、体内では代謝されて変化し、
  一部はプロスタグランジンになる。

1-135. 解説とポイント 
(1)誤り。揚げ物や炒め物のように恒温で加熱するときの油の酸化は、基本的の自動酸化と同じ反応が  起こる。しかし、高温(160〜200℃)で加熱すると生成した過酸化物(ヒドロペルオキシド)   は不安定のため、ほとんど分解し蓄積されないので、過酸化物価(POV)は高くならない。←要注意!
(2)誤り。加熱による油脂の酸化と常温で空気中に置いたときの油脂の酸化は、どちらも遊離基(フリー  ラジカル)を経て進む自動酸化反応である。
(3)誤り。ヨウ素価は油脂を構成する脂肪酸の不飽和度を示す値であり、ヨウ素価の高い油脂は酸化さ  れやすい。
(4)誤り。ケン化価は、油脂中の構成脂肪酸の平均分子量を示す目安となるもので、分子量の小さい脂  肪酸を含む油脂は大きいケン化価を示す。←要注意!(間違い易い)
ライヘルト・マイスル価:揮発性の水溶性脂肪酸の量を示す価であり、バター脂肪は26〜34、
  ヤシ油、パーム油は5〜8、その他の油脂は0〜8、であるが。普通は1以下である。酸敗が進んだ  油脂で高い値を示すこともある。           第13回管栄養士国試(食品学)問136
(5)正しい。この文は、栄養学、生化学の問題でもある。合わせて勉強しよう。
                                     解答 (5)


3-3(続き)食品中の脂質(動物油脂)に関する理解度チェック ☆
8)□□食肉中の全脂質の約(30%、60%、90%)が貯蔵脂質で、主として(モノアシルグリ
   セロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール)からなる。
9)□□牛乳中の飽和脂肪酸量は、不飽和脂肪酸量より(少ない、多い)
   ○飽和脂肪酸量2.33g/100g、不飽和脂肪酸量:一価不飽和脂肪酸0.87g/100g、多価不飽和
    脂肪酸0.12g/100gである。
10)□□魚油には、イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の(n-3系、n-6系)不飽和脂肪     酸を多く含み、血栓防止作用がある。  

3-3(続き)食品中の脂質(植物油脂)に関する理解度チェック☆ 
11)□□大豆油脂の構成脂肪酸は50%以上が(リノール酸、ステアリン酸)で、25%以上が
   (オレイン酸、パルミチン酸)である。
12)□□植物油には(リノール酸やオレイン酸、イコペンタエン酸やドコサヘキサエン酸)を多く    含まれる。 
13)□□穀類の胚芽油には、(リノール酸やオレイン酸、パルミチン酸やステアリン酸)を多く
含む。
14)□□米ぬか油には、ステロールなど不ケン化物が多く、その中に(γーオリザノール、コレステ
ロール)が含まれる。
15)□□完熟したココナッツから得られるヤシ油(コプラ油)は、(不飽和脂肪酸、・飽和脂肪酸)     が多い。
16)□□オリーブ油に多く含まれるオレイン酸は、動物油脂に(含まれていない、含まれている)。     (25〜43%)
17)□□なたね油に含まれていたエルシン酸(C22:1)は、毒性(成長阻害、心臓障害)が問題と     されたが、品種改良によって(1%以下、5%以下)になっている。  
18)□□しそ油は(n-6系脂肪酸よりn-3系脂肪酸、n-3系脂肪酸よりn-6系脂肪酸)を多く含む。
19)□□種実類の脂質含量は高く、その構成脂肪酸は飽和脂肪酸が(少なく、多く)、特に
   (リノール酸、ステアリン酸)が多い。

□□まぐろ、ぶりなどの大型魚の脂質含量は、腹側筋肉部の方が背側筋肉部より多い
□□春獲り鰹(春かつお)に比べ、秋獲りかつお(戻りかつお)の方が脂質含量が多い
□□水素添加による工程で一部生成するトランス型リノール酸は、必須脂肪酸として働かない
□□人の体内でアラキドン酸はリノール酸から合成できる
□□人の体内でドコサヘキサヘエン酸はαーリノレン酸から合成できる



3-4.たん白質とアミノ酸
 一次構造、三次構造、等電点沈殿、加熱変性、L-, D-アミノ酸、酸性、塩基性アミノ酸)
アミノ酸スコア(栄養学の分野であるが、食べ物と健康からも出題される)






中性アミノ酸
必須アミノ酸の覚え方
ひどい:ヒスチジン
雨  :アルギニン、メチオニン
降り :フェニルアラニン、リジン 
バス :バリン、スレオニン 
とろい:トリプトファン、ロイシン、イソロイシン
 *アルギニン:成長期に必要

 酸性アミノ酸   塩基性アミノ酸
 
○たんぱく質は、20種類の色違いのビーズ(アミノ酸)が
 結合(ペプチド結合)した数珠がネックレスのようなもの
 とイメージしよう。
   一次構造(ペプチド結合)    二次構造          三次構造 
        酸による加熱分解や          高次構造
        酵素分解         水素結合やイオン結合などによるゆるい結合
    アミノ酸、ペプチド

1-136.  アミノ酸、たんぱ質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)リシン(リジン)とアルギニンは脂肪族炭化水素の側鎖に酸性のカルボキシル基の残基を有する
  アミノ酸である。
(2)卵たんぱく質のオボムコイドはビオチンと結合してその利用性を著しく妨げる。
(3)カゼイン、ホスビチンなどは金属たんぱく質で、フェリチン、トランスフェンはリンたんぱく質
  である。
(4)たんぱく質溶液は等電点で電荷によるたんぱく質の反発力が最大となり、沈澱しにくくなる。
figure512
(5)オルニチン、シトルリンは体たんぱく質の構成成分ではないが、生体内の代謝に重要な役割を
  果たすアミノ酸である。

1-136. 解説とポイント(難問である) 
(1)誤り。リジン、アルギニンは塩基性アミノ酸で側鎖(下図のRの部分)にはリジンではアミノ
   ブチル基、アルギニンではグアニジル基を有している。
          

                    リジン  R = H2N-CH2CH2CH2CH2-
                アルギニン R = H2N-C-NHCH2CH2-
II
NH

(2)誤り。要注意!栄養学の出題範囲でもある。
  オボムコイド:卵白中に含まれる糖タンパク質、牛、豚のトリプシンに対して阻害作用があるが、人         のトリプシンに対しては阻害作用はない。糖タンパク質のアビジンがビオチンの利用         性を阻害する。
  アビジン:卵白中に含まれる糖タンパク質で、ビオチン(ビタミンH)と強く結合する。
       生卵白大量摂取によるビオチン欠乏症(アビジンービオチン複合体形成によるビオチンの       腸管吸収阻害に基づく)  
(3)誤り。
  カゼイン:乳の主要タンパク質で、リンタンパク質の一種である。
  ホスビチン(ホスホビチン):卵黄タンパク質の主成分で、リンタンパク質の一種である。
  フェリチン:肝臓、脾臓、骨髄および筋肉組織に含まれる水溶性タンパク質で、鉄と結合している。  トランスフェリン:血中の鉄と結合するタンパク質である。(フェリ=鉄のこと)
(4)誤り。 タンパク質溶液は等電点付近では溶解度が最小となり、沈殿する。
  乳タンパク質のカゼインは、酸性側で、電荷が等しくなり、沈殿する。牛乳に酸を入れると固まったり、乳酸発酵するとヨーグルトができるのもこの原理による。
(5)正しい。オルニチンとシトルリンは塩基性アミノ酸の一種であるが、タンパク質中には、通常存在  しない。尿素回路(オルニチン回路)におけるアルギニン代謝の中間体として重要である。
                                    解答 (5)
1-137.  たんぱく質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)たんぱく質の変性は攪拌、超音波処理、X線照射では起こらない。
(2)加熱によってたんぱく質の三次構造の変化は起こるが、一次構造、二次構造の変化は起こらない。
(3)たんぱく質の凝固温度は、溶液中のたんぱく質の濃度、pH、塩類濃度によっては変わらない。
(4)たんぱく質はpHを酸性やアルカ性にすると水素結合が切れて変性する。
  酢を加えると魚の身が白くなるのはこのためである。
(5)熱変性した大豆たんぱく質を凝固させるのに2価イオンCa2+やMg2+を加えるのは、それぞれの  ポリペプチド鎖のアミノ基どうしを結びつけるためである。

1-137. 解説とポイント
(1)誤り。たんぱく質の変性を起こす要因には、物理的要因(加熱、冷凍、攪拌、高圧、超音波、X線)     と化学的要因(酸、アルカリ、尿素など)がある。例、ゆで卵、ヨーグルト、ピータンなど。
(2)誤り。一次構造は強い共有結合できているので、壊れ難いが、二次構造、三次構造は水素結合や
     イオン結合などの弱い結合で安定化しているので、加熱などの処理で壊れやすい。
       
(3)誤り。たんぱく質の凝固温度は、溶液中のpH、添加する塩類の濃度やたんぱく質の濃度によって
figure551
     異なる。
(4)正しい。たんぱく質は、pHを酸性にしたり、アルカリ性にすると、水素結合が切れて、変性を        起こす(ヨーグルト、カッテージチーズ、ピータンなど)。
(5)誤り。熱変性した大豆たんぱく質にカルシウムやマグネシウムの2価イオンを加えることによって     ポリペプチド鎖のカルボキシル基同士が結合して凝固する(豆乳ににがりを添加し、豆腐を製     造する)。カルシウム、マグネシウムは、2価のプラスイオンであるので、結合するのは、ア     ミノ基ではなく、カルボキシル基である。  問題136参照
                      アミノ酸        解答 (4)



3-4たんぱく質とアミノ酸の理解度チェック
1) □□天然たんぱく質を構成しているアミノ酸は(L-α-アミノ酸、D-β-アミノ酸)である。
2) □□単純たんぱく質の一つであるアルブミンは、水、塩類溶液や希酸、希アルカリに(不溶、
   可溶)である。
3) □□たんぱく質は、アミノ酸が多数直鎖状に(ペプチド、エステル)結合している。
4) □□アミノ酸は側鎖(R)の性質によって分類できるが、(システインとチロシン、ヒスチジン   とアルギニン)は塩基性アミノ酸に分類される。



3-4(続き)食肉とタンパク質、アミノ酸に関する理解度チェック(融合問題)
5) □□食肉の熟成によるうま味は自己消化による呈味性の(ペプチドとアミノ酸、グリコーゲンと
  グルコース)の増加による。
6) □□ 骨格筋の死後硬直は、乳酸生成、ATPの減少などにより(筋原線維タンパク質(アクチンと
  ミオシン)、筋漿タンパク質、肉基質タンパク質)の不可逆的結合によって強い筋収縮が起こる
  ことによる。
7) □□ コラーゲン、エラスチンは、(肉基質タンパク質、筋原繊維タンパク質)を構成する
  タンパク質で、肉質の硬さに関係し、その含量が少ない肉質は、多い肉質より(柔らかい、硬い)。
 (003-144)
8) □□ 筋原線維タンパク質は、ミオシン、アクチンなどを含み、(筋収縮、グリコーゲンの貯蔵) に関与し、肉製品の(保水性や結着性、保油性と疎水性)に重要な役割を担っている。
9) □□ アミノ酸スコアは、タンパク質の栄養価を表す指標の1つで、(理想的なアミノ酸パターン、
  卵のタンパク質、牛乳のタンパク質)を基準として(最も不足しているアミノ酸(第一制限
  アミノ酸)、不足している全必須アミノ酸の総量)で示される。
10)□□ 魚肉タンパク質は、畜肉タンパク質に比べ、アミノ酸スコアは(低く、同等)で、
栄養価は(劣る、同等)である。 (003-147)
11)□□ 鶏卵のタンパク質含量は、卵白に比べ、卵黄の方が(少ない、多い)
  タンパク質含量:生卵白(10.4%)、生卵黄(15.3%):乾燥卵白(83.4%)、乾燥卵黄(30.3%)  水分含量:生卵白(88%)、生卵黄(51%)
12)□□ 牛乳中の主要タンパク質は(カゼインと乳清タンパク質、ラクトフェリンとオボムコイド)
である。
13)□□ 乳清タンパク質の主なものは(ラクトアルブミンとラクトグロブリン、カゼインと
  ミオグロビン)である。
14)□□ 牛乳中のカゼインは、(カルシウム、リン酸)と結合して、カゼイン(カルシウム、
  リン酸塩)となっている。 (003-145)



3-5.酵素(香り、辛味、色の発現)
(食品加工学の分野でもあるので、併せてで覚える)
1-137.  たんぱく質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)たんぱく質の変性は攪拌、超音波処理、X線照射では起こらない。
(2)加熱によってたんぱく質の三次構造の変化は起こるが、一次構造、二次構造の変化は起こらない。
(3)たんぱく質の凝固温度は、溶液中のたんぱく質の濃度、pH、塩類濃度によっては変わらない。
(4)たんぱく質はpHを酸性やアルカ性にすると水素結合が切れて変性する。
  酢を加えると魚の身が白くなるのはこのためである。
(5)熱変性した大豆たんぱく質を凝固させるのに2価イオンCa2+やMg2+を加えるのは、それぞれの  ポリペプチド鎖のアミノ基どうしを結びつけるためである。

99-137解説とポイント
1)正しい
2)わさび、だいこん、黒がらしに含まれる配糖体シニグリンは、その食品をすりおろしたりして組織を 破壊すると酵素のミロシナーゼによって揮発性辛味成分のアリルイソチオシアネート(アリルカラシ油) を生じる。 
 覚え方:死にたくて(シニグリン)、わさび、大根たくさん食べても見ろ死なんぜ(ミロシナーゼ)
 アリイナーゼは、ねぎ、にんにくに含まれる酵素で、臭い物質の前駆物質であるアリイン(無臭)がこの酵素の
 作用によって、アリルスルフェン酸に変えられ、さらに臭い成分のアリシンとなり、最終的にジアリル
 ジスルフィド(にんにくのキーコンパウンド)などに変化する。 
 ○覚え方:にんにくの臭いで蟻いなくなり(アリイナーゼ)、蟻死んだ(アリシン)    誤り

3)正しい。  紅茶は、発酵茶のため、この酵素のポリフェノールオキシダーゼが働き、紅茶特有の
  色素テアフラビンを生成するが、ビタミンCも分解してしてしまう。(食品学・総 p.161)
4)正しい。生シイタケや干しいたけを、すりつぶしたり、ぬるま湯に浸すと香り成分の前駆体である
 レンチオニン酸が酵素のγ-グルタミントランスフェラーゼとC-Sリアーゼの作用で香り成分の
レンチオニンを生成する。 
5)正しい。かつお節、畜肉が発酵、または熟成中に酵素のアデノシンモノホスフェートデアミナーゼ
  などが働き、核酸系うま味成分のイノシン酸を生成する。
 ○その他のうま味成分についてまとめておく。★うま味成分の相乗作用。   解答(2) 
 
酵素とその働き                  (平成17年度出題;0535)
1)アミラーゼ( アミラーゼと アミラーゼ):澱粉分子中の 1,4グルコシド結合を加水分解する。
2)インベルターゼ(スクラーゼ):スクロースをグルコースとフルクトースに加水分解する。
3)ナリンギナーゼとヘスペリジナーゼ:フラボノイド配糖体を加水分解する。
4)レンニン(キモシン):乳タンパク質の -カゼインを限定的に加水分解し、凝集、カードを作る(チーズ製造)
5)セルラーゼ:セルロース分子中の -1,4結合を加水分解する。
6)グルコースイソメラーゼ:グルコースからフルクトースに変化する。異性化糖の製造    

3-6.無機質 (栄養学から出題されることが多い)☆
食品成分表に収載した無機質は、すべてヒトにおいて必須性が認められたもので、四訂成分表に収載されたナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、リン(P)及び鉄(Fe)に加えて、新たにマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)の計9種類を収載した。マンガンの成分値は、五訂(初版)では別表としていたが、五訂増補では、本表に収載した。



3-6無機質に関する理解度チェック
1)□□ 食品を約(550℃、150℃、350℃)で焼いて得られる残灰を灰分量として求める。
2)□□ 生体に存在する元素のうちカルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素と(硫黄と
    マグネシウム、マグネシウムと鉄)は比較的多量に必要とされるので、常用元素と呼ばれている。
3)□□ 鉄、亜鉛、銅など(・15種、10種)の元素は、欠乏症が明らかな元素で生体での存在が      少ないので、微量元素と呼ばれている。
4)□□ 亜鉛は、肉類や貝類に含まれ、欠乏すると(筋肉の痙攣や不整脈、味覚障害)が起こる。
5)□□ カリウムは、(細胞内、細胞外)に多く含まれ、果実類のは含量が(少ない、多い)。
6)□□ ヨウ素は、(甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン)のチロキシンの構成分であり、
    (海藻、酵母)に多く含まれている。
常用元素の覚え方:マグカップ(Mg,Ca,P)、中(Na, K)に異様(S,硫黄)な黒い(Cl,クロル)もの。


3-7.ビタミン 
 A(レチノール)、 B1 (チアミン)、 C(アスコルビン酸、抗酸化性)、 D、
 E(抗酸化性)、ニコチン酸  ○プロビタミンA(β-カロテンなど)
○3-7 ビタミンに関する理解度チェック
1)□□ビタミンA、D、E、Kは( 水溶性、 脂溶性)で、ビタミンB群、Cは(水溶性、脂溶性)
   ビタミンである。
  (覚え方)脂溶性ビタミン摂取過剰で(KAじょうDE)障害現れる。  
2)□□ビタミンB1(チアミン)は、加熱によって(中性〜アルカリ性、酸性)ではこわれやすい。
3)□□ビタミンB2(リボフラビン)は(アルカリ性、中性〜酸性)では熱に強い。 
4)□□ビタミンAは(うなぎやあなご、えびやかに、かつおやまぐろ)に多い。
5)□□ナイアシンは肝臓で必須アミノ酸の(フェニルアラニン、アントシアン、トリプトファン)
     から一部、合成される。
6)□□ビタミンCは、嗜好飲料の中で、(緑茶、紅茶)に多く含まれている。
7)□□リンゴやなしは、柑橘類に比べてビタミンCを多く(含んでいる、含んでいない)。

○ビタミンの覚え方(例)
A:映画館、Aが不足で足下みえず、画みられず、あんこうのきも鍋食べて、夜盲症回復
D:カルシウムとっただけでは、不十分、Every Day外にて、光浴びよう くる病対策
B1:活気(脚気)ないB1クラス、うな丼と豚丼食べて疲れとれ。
B2:レバー食べたら、皮膚炎、口内炎なおって肌美人(B2)。
ナイアシン;トウモロコシだけたべて、できた口舌炎(ペラグラ)なおらない、明日(ナイアシン)
  かつおのたたきを食べに行こう。
葉酸:ほうれん草とレバー刺し、ようさん食べると貧血予防
C:CCレモンや野菜を食べて肌の悩みは一挙解決(壊血病)

1-138.  食品のビタミンに関する記述である。正しいのはどれか。
(1)ビタミンB1(チアミン)は光分解を受けやすく、褐色びんに保存することが望ましい。
(2)エリソルビン酸はアスコルビン酸と同様に酸化防止の目的で食品の加工に用いられるが、
   ビタミンCの生理作用はない。
(3)大豆にはビタミンCが含まれるが、もやしにするとなくなる。
(4)リコピン、ルテインなどのカロテノイドは体内でビタミンAに変換するのでプロビタミンAと
  いわれる。
(5)ニコチン酸は熱、光、空気、酸、アルカリなどに極めて不安定なビタミンで、調理中に分解し
  やすい。


138. 解説とポイント(難問)
(1)誤り。ビタミンB1(チアミン):無色の結晶。水に溶けやすい。加熱によって中性・アルカリ性で                  はこわれやすく、酸性では安定。光に安定である。
      ビタミンB2(リボフラビン):黄橙色の結晶。水に溶けやすい。アルカリ性ではこわれやすい。中性・酸性では熱に強い。光線でこわれやすい。   
 この設問で、出題者は、ビタミンB2に比べ、B1が光分解を受けやすいと言いたかったと思われるが、 問題としては不適切、または説明不足。他に、もっと正しいものがないか見分けることが必要。   (2)正しい。
   エリスロビン酸:L-アスコルビン酸(ビタミンC)の異性体であるので、D-イソアスコルビン酸
   ともいわれる。ビタミンCとしての作用は、L-アスコルビン酸の1/20といわれているので、
   栄養的な価値は低い。L-アスコルビン酸と同様に抗酸化性が強いので、食品の酸化防止剤として使われれている。
(3)誤り。大豆の種子にはビタミンCは含まれないが、発芽によってビタミンCが生成される。
      大豆もやしには、5mg/100gのビタミンCが含まれるが、ゆでると1/5程度まで減少する。
(4)誤り。
   カロテノイド類:黄色から橙黄色色素(ほとんどが脂溶性)
    カロテン類:α-, β-, γ-カロテン(体内で分子の真ん中から切れてビタミンA効果を示す:
         プロビタミンA)、リコピン(ビタミンA効力はない)、クロシン(水溶性カロチノイド、クロセチンの配糖体)
    キサントフィル類:クリプトキサンチン(ビタミンA作用あり)、
             ルテイン、ゼアキサンチン(ビタミンA効力はない) 


(5)誤り。
ニコチン酸(ナイアシン):水溶性ビタミン、熱に強く、酸や光に強い。酸、アルカリに強い。
                                      解答 (2)
1-147.  ビタミンに関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a.  ビタミンA(レチノール)は全トランス型の共役二重結合をもち、ヒト体内では植物に含まれる
  フラボノイドからも供給される。
b.  アスコルビン酸は抗酸化剤として食品加工に利用されていて、酸化されてもそれ自身が分解して
  いくので、アミノカルボニル反応を起こす原因物質とはならない。
c.  ビタミンB1(チアミン)は酸性では安定であるがアルカリ性では不安定であるので、重曹を
  用いるビスケットなどの製造時には加熱により分解されやすい。
d.  ビタミンDには植物性食品に含まれるエルゴカルシフェロール(D2)と動物性食品に含まれる
  コレカルシフェロール(D3)がある。
    (1)aとb  (2)aとc  (3)bとc (4)bとd  (5)cとd

1-147. 解説とポイント(組み合わせ問題)関連問題 問題138
(a)誤り。フラボノイドは分子中にレチニリデン残基を持たないので、ビタミンAの供給源には
      ならない。
(b)誤り。アスコルビン酸は酸化されてデヒドロアスコルビン酸となり、さらに分解されてカルボニル 化合物を生成してアミノ酸と反応してアミノカルボニル反応を起こす。
(c)正しい。
(d)正しい。                              解答 (5)
                                   


3-8.食品の嗜好成分
(1)色素成分(☆フラボノイド、☆アントシアニン、☆カロテノイド)
植物性色素
 脂溶性色素:橙黄色系色素;カロテノイド、ジケトン、緑色系色素;クロロフィル
 水溶性色素:フラボノイド(黄色〜赤色)、ベタレイン(黄色〜赤色)
(黄色系色素;フラボン、フラボノールなど)、赤色系色素(アントシアニン)

○3-8色素成分に関する理解度チェック ☆
1)□□食品に含まれている植物性色素には、脂溶性色素である黄橙色系の(カロテノイド類、
   クロロフィル類)と水溶性色素である赤色系のアントシアニンと黄色系のフラボノイドなどがある。
2)□□クロロフィルは、ポルフィリン系色素で、金属の(鉄、マグネシウム)が配位結合している。
3)□□イチゴに含まれているカリステフィンは(アントシアニン、カロテノイド)色素である。
4)□□なすに含まれる赤色色素のナスニンは、鉄やアルミニウムが存在すると(茶色に変色する、
   安定な青紫色に変わる)。
5)□□カレー粉に用いられるウコンの黄色色素は、(クルクミン、ククルビタシン)である。   
6)□□バターや卵黄のカロテノイド色素は、(飼料の植物から移行した、体内で合成した)ものである。
0-137食品の色素成分についての記述である。正しいのはどれか。
(1)カロテノイドは植物界にのみ存在する脂溶性色素で、プロビタミンAとして作用するものがある。
(2)カロテノイドはブランチングや冷凍などの処理に対して不安定であるので注意を要する。
(3)ナスの青紫色を呈するナスニンはアントシアニン系色素であり、酸性で青色を呈し、アルカリ性
  では赤色を呈する。
(4)新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンの暗赤色であるが、空気に触れると直ちに酸化されてメト
  ミオグロビンとなり褐色となる。
(5)えびやかにをゆでると赤くなるのは、たんぱく質結合型青色色素のたんぱく質部分が変性して離れ、
 アスタキサンチン本来の色が現れるためである。

0-137解説
(1)誤り。カロテノイドは植物だけではなく、卵黄、魚介類、牛乳などの動物性食品にも 
      アスタキサチン、β―カロチンなどとして含まれている。ただし、動物中のカロテノイドは、植物性飼料から移行したものである。
(2)誤り。これらの処理(ブランチング;湯通し、冷凍)には安定である。
(3)誤り。ナスニンなどのアントシアニン色素はpH3以下では赤色、pH7 - 8では紫色、pH11以上で      は青色になる。ナスの漬け物にみょうばんや鉄くぎを入れるとナスニンと安定な金属塩を
      つくるため、退色 しない。
(4)誤り。新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンで暗赤色であるが、ミオグロビンは空気に触れた直後には鮮赤色のオキシミオグロビンになり、時間の経過とともに鉄イオンが3価に酸化されて、褐色のメトミオグロビンになる。
解答(5)



(2)呈味成分(甘味料、酸味料、調味料、香辛料と併せて勉強する)
(2-1)甘味成分
  糖質系甘味成分:グルコース、スクロース、フルクトース(甘味度、 型> 型)
糖誘導体:糖アルコール(ソルビトールなど)、異性化糖(グルコースに異性化酵素を作用させる)
  糖以外の甘味物質:ステビオシドグリチルルチンアスパルテームサッカリン
(2-2)酸味成分 (水素イオンの刺激によって酸味を感じる)     (平成17年度出題;05-137)
  有機酸:クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸。 無機酸:炭酸、リン酸  
(2-3)塩味成分
  無機塩:塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、塩化マグネシウムなど
  有機酸塩:リンゴ酸ナトリウムなど
(2-4)苦味成分
  イソフムロン(ビールの苦味、ホップ雌花中のフムロンが加熱変化したもの)
  カフェイン(コーヒー、緑茶の苦味)
  テオブロミン(ココア、チョコレートの苦味)
  ナリンギン(グレープフルーツの苦味)、リモニン(レモンなど柑橘類の苦味)、
  ククルビタシン(きゅうりやうりの苦味)
(2-5)うま味成分
  アミノ酸、ペプチド系うま味成分:L-グルタミン酸ナトリウム(MSG, 昆布のうま味)、
                  テアニン玉露や緑茶のうま味
  核酸系うま味成分:5’-イノシン酸ナトリウム(5'-IMP、かつお節のうま味
           5'-グアニル酸ナトリウム(5'-GMP、しいたけのうま味
  ☆味の相乗効果……5'-IMPと5'-GMPは、MSGと共存すると単独よりうま味が増強される。
           核酸系うま味成分同士では相乗効果は認められない。
  ★味の相殺そうさい効果……例、酸味の強い果物にしょ糖を加えると、酸味も甘味も弱く感じる(0538)
(2-6)辛味成分
  酸アミド類:カプサイシン(トウガラシ)、サンショオール(サンショウ)、
        ピペリン(コショウ)、シャビシン(コショウ)  
  バニリルケトン類:ジンゲロンとサンショオール(ショウガ)
  チオエーテル類(匂い成分でもある)含硫化合物
        ジアリルジスルフィド(ネギ、タマネギ、ニンニク)など。過去の国試に出題されたが、現在、甘味の本体ではないと言われている。          
  イソチオシアネート類
        アリルイソチオシアネート(ワサビ、和ガラシ、黒カラシ)
        p-ヒドロキシベンジルイソチオシアネート(白カラシ)
(2-7)渋味成分  
タンニン類:ガロカテキンやエピガロカテキン(茶の渋味)
        シブオール(柿の渋味、水溶性タンニン)

 渋柿の脱渋機構
・湯抜き法        アルコールデヒドロゲナーゼ
 ・アルコール脱渋法     アルコール     アセトアルデヒド
 ・炭酸ガス法
             シブオール(水溶性)     (結合)→不溶化
☆脱渋処理で、水溶性のシブオールは、アルコールから生成したアセトアルデヒドと結合し、不溶化する ため、渋味を感じなくなり、柿に元々含まれていた糖の甘味が現れるため甘く感じるので、シブオール が除かれたのではない。
0-139食品の味についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a ミカン-----苦味-----ヘスペリジン
b トウガラシ-----辛味-----カプサイシン
c 甘草-----甘味-----ステビオシド
d イカ-----甘味-----グリシン
(1) aとb   (2) aとc   (3) bとc   (4) bとd   (5) cとd

0-139解説(今後、このような組み合わせ問題が出題されると予想される)
 a:フラボノイドのヘスペリジンは苦味成分ではなく、柑橘類の缶詰の白濁原因物質である。
   ナリンギンもフラボノイドの一種で、苦味があり、夏みかん、グレープフルーツ、はっさくに含ま   れる。ヘスペリジン、ナリンギンを除くため、ヘスペリジナーゼ、ナリンギナーゼが使われる。
 c:ステビオシドは、ステビアの葉に含まれるジテルペン系の配糖体である。
   甘草の甘味成分はグリチルリチンである。
解答(4)
(3)香り成分(香辛料の項と併せて勉強する)
  香気物質:エステル類、アルデヒド類、アルコール類、テルペン類
  柑橘類の香り成分:レモンの香りシトラールなどのテルペン類)、グレープフルーツの            香り(ヌートカトンなどのテルペン類)
  リンゴの香り成分:アルコール、アルデヒド類(ヘキサナール、ヘキサノールなど)
          エステル類(過熟リンゴの香り;酢酸エチル、酢酸ペンチルなど)
  パイナップルの香り成分:エステル類(酢酸エチル、酢酸アミル)
  バナナの香り成分:エステル類(酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ペンチルなど)
  きゅうりの香り成分:キュウリアルコール(平成17年度0544に出た)
  キャベツの香り成分:青葉アルコール
にんにく、ネギの香り成分:含硫化合物(ジアリルジスルフィドなど)
  たまねぎの香り成分:ジプロピルジスルフィド(05-144)
 ☆マツタケの香り成分:マツタケオールとケイ皮酸メチル
 シイタケの香り成分:レンチオニン(環状含硫化合物)

○シイタケの香り成分の生成
 (生シイタケや干しシイタケをぬるま湯につけると生成する香り)
         酵素
  レンチニン酸 → レンチオニン(香り物質)

1-139. 食品の色、味、香りに関する記述である。これらの成分の生成に酵素反応が関与しないもの  の組合せはどれか。
a.  紅茶の色素のテアフラビン
b.  しょうゆの色素のメラノイジン
c.  ハム、ソーセージのニトロソミオグロビン
d.  牛肉のうま味のイノシン酸
e.  ニンニクのにおいのアリシン
    (1)aとb  (2)aとc  (3)bとc  (4)cとd  (5)dとe


1-139. 解説とポイント(組み合わせ問題)  食品加工学の出題範囲でもある。
(a)誤り(酵素反応が関与)。紅茶は発酵茶である。発酵=生体または微生物の酵素による反応。
  茶葉中のカテキン類が酸化酵素のポリフェノ―ルオキシダーゼの作用を受けてキノン類に変化し、
  酸化重合しテアフラビン(橙赤色)やテアルビジン(濃赤色)の紅茶特有の色素を生成する。
(b)正しい(酵素反応が関与しない)。しょう油や味噌の褐変反応(非酵素的褐変反応)
  ☆アミノ・カルボニル反応(メイラード反応):アミノ酸と還元糖が反応してメラノイジンと    よばれる褐色色素を生成する非酵素的反応。味噌やしょう油の原料や熟成中にアミノ酸や糖が
   充分存在するためこの反応が起こる。
  ★ストレッカー分解:アミノカルボニル反応の中間産物( -ジカルボニル化合物)はアミノ酸と
   ストレッカー分解を起こし、アルデヒド、さらにピラジン類を生じる(加熱食品の焙焼香)。

(c)正しい(酵素反応が関与しない)。ハムやソーセージなどの食肉加工品の場合、加熱しても肉の
  色が褐色化しないように、発色剤として硝酸塩や亜硝酸塩(これ自身は無色)を添加する。
  この発色剤から生成した酸化窒素が、肉色素のミオグロビンと反応(ニトロ化反応)し、安定な
  ニトロソミオグロビンにななる。
(d)誤り(酵素反応が関与)。肉類のうま味成分のイニシン酸 (5'-IMP)はアデノシン系ヌクレオチド
  の5'-AMPが5'-AMPデアミナーゼの 作用を受けて生成される。かつお節のうま味成分でもある。
  (覚え方:かつお節でだしとったイノシシ汁(イノシン酸)、高僧(酵素)もうまいと太鼓判)
(e)誤り(酵素反応が関与)。ニンニク中の含硫化合物であるアリインが酵素のアリイナーゼの作用に   よってにおい物質のアリシンを生成する。
 (覚え方:ニンニクをつぶすと、そのにおいで蟻死ん(アリシン)で、蟻いなくなり(アリイナーゼ))
                                    解答 (3)

1-141.  食品の香りに関する記述である。正しいのはどれか。
(1)柑橘類の果物の主な香気成分としては桂皮酸メチルなどのエステル類がある。
(2)きゅうりの香り成分にはリモネンやピネンなどのテルペン類が多い。
(3)飯のお焦げの香りはアミノ酸のストレッカー分解によってできるバニリンによる。
(4)加工食品の香気の多くはアミノカルボニル反応の副産物として生成するアル デヒド化合物
   とピラジン化合物である。
(5)淡水魚の生臭さはリシン(リジン)がピペリジンとなった後に生成されるトリメチルアミン
   のためである。
 
1-141. 解説とポイント
(1)誤り。柑橘類の香気成分のリモネン(多くの柑橘類)、シトラール(レモン)、ピネン(ミカン、  レモン)、ヌートカトン(グレープフルーツ)はテルペン類に分類される。桂皮酸メチルエステル  はマツタケオールとともに松茸の香り成分の一つである。
(2)誤り。キュウリの香気成分は、キュウリアルコールや菫葉(きんよう)アルデヒドなどのアルコー  ルやアルデヒド類である。
(3)誤り。食品の調理加工のとき生じる芳香(加熱香気)は、主に糖とアミノ酸によるアミノカルボ
  ニル反応の進行(4段階)によって生成する。褐色色素の生成途中の中間産物および副生成物が、
  香気成分に寄与している。
  第1段階(フルフラール類、フラン類など)、第2段階(ストレッカー分解:アルデヒド類、例、
  ご飯のお焦げの香り)、第3段階(ピラジン類;焙焼香、例、コーヒー、ゴマの香り)、第4段階
  (ピロール、ピロリジン、ピリジンなど)。バニリンはバニラエッセンスの香り成分。
(4)正しい。上記参照
(5)誤り。淡水魚の生臭さは、リジンが分解して生成されるピぺリジンやγ-アミノレバラール、
  γ-アミノ吉草酸である。海水魚の生臭さは、魚体中に存在するトリメチルアミンオキシドから生成  したトリメチルアミンなどのアミン類である。(ひっかりやすいので注意を要する)解答 (4)




3-9.有毒成分
1)植物性毒性分
 毒キノコ:ツキヨタケの毒(ランプテロール)、タマゴテングタケの毒(ファロトキシン、
      アマニタトキシン)テングタケの毒(ムスカリン)、ヒトヨタケ(コプリン)
 ジャガイモの毒成分: -ソラニンと -チャコニン(発芽部分と緑色部)
 未熟な青梅、あんず、ぎんなん種子の毒成分:青酸配糖体アミグダリン、プルナシン
 わらびの毒成分:プタキロシド(プタキロサイド)
生豆の毒成分:トリプシンインヒビター     
2)動物性毒性分
 ふぐの毒成分:テトロドトキシン
 貝毒:イガイ、ホタテ貝の中腸線;サキシトキシン

99-139 食品中に含まれる有毒成分について、その所在、化学的特性、主な毒性の組合せである。誤っているのはどれか。
(1)レクチン:豆類--------------------たんぱく質------血液凝集
(2)ゴイトロゲン:あぶらな科植物------ステロイド------肝臓肥大
(3)アミグダリン:未熟な果実----------青酸配糖体------内呼吸障害
(4)ソラニン:じゃがいも--------------アルカロイド----頭痛・目まい
(5)テトロドトキシン:ふぐ------------複素環化合物----神経障害

99-139解説とポイント
食品中の有害成分  
a)動物性有害成分 
  ふぐ(属名テトロドン)毒:テトロドトキシン、致死量 約2mg/ 体重50kg;神経障害)   貝毒:サキシトキシン(アルカロイドの一種)、神経障害)
b)植物性有害成分(p.134〜136)
  じゃがいもの毒:ソラニン(アルカロイド配糖体)、コリンエステラーゼの阻害;めまい、頭痛)、
          熱に安定(分解点285℃)。発芽部分やその周囲の緑変部に多い。
  うめ、もも、あんずの毒:アミグダリン(青酸配糖体)、未熟な種子に存在、
              腸内のβ-グルコシダーゼによって青酸を生成し、酸素の運搬を阻害。
  わらびの毒:プタキロシド(複素環配糖体)、発ガン成分、十分灰汁抜きすれば除かれる。
  豆類の毒:レクチン(ヘマグルチニン;一種のたん白質)、血球凝集作用
       バイシンおよびコンバイシン;ソラマメによる中毒(ファビズム)の原因物質
                     ビタミンE欠乏と類似の症状、溶血性貧血。
       リナマリン(ファゼオリン)およびロストリナマリン;ビルマまめ(五色まめ)に                        含まれている青酸配糖体
       トリプシンインヒビター;生大豆中に存在、消化酵素のトリプシンを阻害
  あぶらな科植物の毒:ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)、甲状腺ホルモンの合成を抑制、その
結果、甲状腺が代償性肥大を起こす。
c)微生物(カビ)の毒:アフラトキシン(アスペルギルス属カビであるアスペルギルス・フラーバス    の代謝産物)、肝臓ガン、肝炎、肝硬変を起こす。原因食品;ピーナッツ、マメ、ココア、
   ココナッツなど。(注意)分類的にコウジカビに類似しているが、このカビは毒素を産生しない。
1)正しい。
2)誤り。肝臓肥大ではなく、甲状腺肥大。また、ステロイドではなくアリル配糖体
3 〜5)正しい。                              解答(

覚え方:素人のふぐ(テトロドン)料理、内臓とらずにトキシン(毒)で神経障害
    男爵(いも)の目(芽)をみて、他人の空似(ソラニン)と気がついた。
    わらび生で食べたブタ、帰路死んだ(プタキロシド)    
    陪審員(バイシン)ソラマメ食べて貧血症
    ビルマからリナ・マリン号(リナマリン)で運んだ五色マメ、食べて全員中毒死。
    カビがついたピーナッツのトキシン(アフラトキシン)あり。
                  関連問題 02-141




第4章 食品成分の変化と栄養★★(食べ物と健康I、107-128頁(三共出版))
4-1.酸化
  脂質の酸化によるラジカルの生成、酸敗油脂、ペルオキラジカル  
4-2.加熱変化
  ☆アミノカルボニル反応による褐変反応と加工食品の加熱香気、リジノアラニン
(4-4で解説する)


4-1脂質の酸化に関する理解度チェック 
1)□□油脂中の(不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸)は空気と接触すると(酸素、水素)によって容易に
    酸化される。この生成物は、自己触媒的に酸化を誘発するので、この反応を(自動酸化、酵素酸    化)と呼ぶ。    
2)□□脂質の酸化は、水分活性が低下すると(起こりやすい、起こりにくくなる)が、水分活性    が極めて低い場合には、逆に(起こりにくい、起こりやすい)。 水の単層膜の破壊と酸化
3)□□食品加工貯蔵中に酵素の(リポキシゲナーゼ、プロテアーゼ)が残存していると、大豆で    は脂肪酸を酸化して、そのヒドロペルオキシドを生成する。
4)□□このヒドロペルオキシドはさらに分解され揮発性の(ヘキサナールやヘキサノール、酢酸
  エステルやバニリン)を生成し、青臭い豆臭の原因となる。 

タンパク質の加熱による変化、変性に関する問題


0-135  たんぱく質の加熱変性および変性についての記述である。正しいのはどれか。
(1)加熱すると、たんぱく質は一次構造および高次構造の変化を起こす。これを加熱変性という。
(2)たんぱく質の水溶液を加熱するとたんばく質分子内および分子間の水素結合は切断されるが、
  イオン結合、疎水結合などは切断されない。
(3)たんぱく質分子間の水素結合の切断は、加熱のほかに、pHをアルカリ性や酸性にしても起こる。
(4)たんぱく質の変性は攪拌、超音波処理、X線照射などの物理的な処理のみでは起こらない。
(5)たんぱく質の凝固温度は溶液中のpHによって異なるが、たんぱく質濃度や塩類濃度による差は
  みられない。



0-135解説
(1) 誤り。たんぱく質を加熱すると高次(二、三次)構造が変化するが、一次構造の変化は起こらない。
   たんぱく質の一次構造:ネックレスや数珠のようにアミノ酸が多数ペプチド結合している様子を
              いう。
   たんぱく質の高次構造:毛糸玉のように、毛糸(一次構造のたんぱく鎖)が立体的な形をした様子              を想像すればよい。これが加熱によって、ほどけて、違った形に変化する              ことを加熱変性といい、一次構造が変化(分解)するわけではない。  (2)誤り。加熱によりたんぱく質の分子内、分子間の水素結合、イオン結合、疎水結合などの弱い結合  は切断され、高次構造が壊れる。
(3)正しい。
(4)誤り。これらの物理的処理よってもたんぱく質の変性は起こる。
(5)誤り。豆腐のように豆乳を加熱しただけでは凝固しないが、硫酸マグネシウムや塩化カルシウム
  などの塩類を添加すると70℃以上で凝固する。
      解答 (3)
類題 第12回管栄養士国試 問題134  

0-144たんぱく質の変化についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 食品中のたんぱく質を十分加熱変性させてもアレルゲン性は完全には消失しな い。
b たんぱく質溶液に無機塩類を加えてたんぱく質を沈澱させる操作を塩析と呼ぶ。
c たんぱく質をアルカリで処理するとリジン残基とアラニン残基が反応してリジノアラニンを生成
 する。
d 食品加工の過程で遊離の還元糖とたんぱく質が反応すると有効性リジンが増加して栄養価が高まる。
(1) aとb   (2) aとc   (3) bとc    (4) bとd   (5) cとd

0-144解説(難問)
 a:加熱調理した卵、そばでもアレルギーを起こすことがあることを考えてみたら理解できる。
   「アレルゲン」とは、アレルギー反応を起こす抗原のことで、無数の種類がある。
   食品アレルギーでは、そば、卵以外に豚肉、大豆、タケノコ、ナスでも症状を示すものもある。

 b:たんぱく質は、薄い塩溶液では、溶けているが、高濃度の塩溶液では、溶解度が低下し、沈殿する   性質を持っている。この操作を塩析といい、たんぱく質の除去、酵素たんぱく質の精製などに
   利用される。
   ☆★その他、たんぱく質は、両性電解質であるが、あるpHで、電荷が等しくなる点(等電点)   で、溶解性が低下する。
 c:リジノアラニンはたんぱく質をアルカリ処理すると、シスチン、セリン、システィンなどのβ―位  に置換基を持つアミノ酸からデヒドロアラニン残基が形成され、さらに、リジン残基と反応して
  リジノアラニンが形成される。注)たんぱく質中のアラニンとリジンが結合したものではない
 d:還元糖とたんぱく質との反応は、非酵素的褐変反応のアミノーカルボニル反応で、リジンの
  ε―アミノ基が反応するため、リジンの有効性を失い栄養価が低下する。
                           解答(1)
      第一出版「管理栄養士国家試験問題と解答」(以下、第一出版問題集と略す)では、(1)      医歯薬出版「管理栄養士国家試験問題集」(以下、医歯薬出版問題集と略す)では、(3)



4-3.酵素反応(☆ポリフェノールオキシダーゼ、チロシナーゼ、メラニン)
02-139. 酵素的褐変反応に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)メラニン形成に関与する酵素はチロシナーゼである。
(2)テアフラビンは、紅茶の発酵過程で茶葉中のカテキン類がポリフェノールオキシダーゼの作用に  より酸化重合したものである。
(3)ポリフェノールオキシダーゼとは、ポリフェノール類をキノンに酸化する酵素で、鉄を含む金属  酵素である。
(4)酵素的褐変反応の抑制には、亜硫酸塩や食塩などの酵素阻害剤が用いられる。
(5)ポリフェノールオキシダーゼにより酸化を受けたポリフェノール類は、共存するアミノ酸や
  たんぱく質と反応し、褐変反応が進行する。

02-139解説と解答
酵素的褐変反応はポリフェノールオキシダーゼによりポリフェノール類が酸化されることで、褐変物質が
生成される。リンゴ、タケノコの切り口の褐変:チロシンがチロシナーゼの働きでメラニンが生成する。
ポリフェノールオキシダーゼはポリフェノール類をキノン類に酸化する酵素で、このキノン類が重合し
て褐変物質が形成される。
したがって、褐変反応は共存するアミノ酸やタンパク質との反応で進行するものではない。
                                    解答 (5)

0-138食品成分の酵素的変化についての記述である。誤っているのはどれか。
(1)畜肉の旨味成分であるイノシン酸はアデニル酸(AMP)にAMPデアミナーゼが作用して生成する。
(2)子牛の胃から取られたレンニンは乳たんぱく質のκ一カゼインを限定加水分解して、カゼイン
  ミセルを破壊して凝集させる。
(3)豆腐の大豆臭はリポキシゲナーゼの作用で生成した脂肪酸ヒドロペルオキシドの分解産物である
 アルデヒドに起因する。
(4)ダイコンの辛味は芥子油配糖体がアリイナーゼで分解されて生じたアリルイソチオシアネートに
  よる。
(5)キャッサバの有害成分である青酸は、前駆体の青酸配糖体がβ一グルコシダーゼなどの作用で分解
  されて生成する。
0-138解説 (難問)
(1)正しい。食肉の熟成中に自己消化によって、筋肉たんぱく質の分解によるペプチド、アミノ酸の
       生成とAMP(アデノシン一リン酸)がデアミナーゼによってイノシン酸を生成し、         うま味が増す。
 
              リボース-5-P   →    リボース-5-P
  
        アデノシン一リン酸(AMP)   イノシン酸(イノシンー5'ーリン酸)
(2)正しい。牛乳中のたんぱく質カゼインは、リン酸ーカルシウムと結合し、カゼインミセルの状態で  コロイド状に分散している。これに凝乳酵素であるレンニン(キモシン)を作用させるとパラカゼイ  ンとなって、凝固する。カゼインには、αsー、βー、κー、γーカゼインがある。
(3)正しい。リポキシゲナーゼ(リポキシダーゼ):マメ科植物、動物の筋肉などに多い。
  リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸に酸素を導入、ヒドロペルオキシドを生成する酵素。
(4)誤り。大根の辛味成分はミロシナーゼの作用によってイソチオシアネート類が遊離したものである。
   アリイナーゼは葱類の香辛味生成に関与する酵素である。
                     ミロシナーゼ
  4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート → 4-メチル-3-ブテニルイソチオシアネート
                          (大根特有の刺激的な香りのある辛味物質)
(5)正しい。キャッサバ、ビルマ豆にリナマリン(ファゼオルナチンと同一)という青酸配糖体を含む。
  この青酸配糖体は、β-グルコシダーゼで分解され、青酸を生成する。
解答 (4)
             類題 ☆第13回管栄養士国試 問題137



4-4成分間反応(非酵素的反応)☆アミノカルボニル反応、☆ストレッカー分解
                                (平成17年度に出題;05-140)
1)□□アミノカルボニル反応はアミノ酸、タンパク質、アミン類などの(カルボニル化合物、アミノ
   化合物)と還元糖や還元性を有する少糖類や多糖類などの(カルボニル化合物、アミノ化合物)
   との反応で褐変物質の(メラノイジン、アントシアニジン)が生成される反応である。
2)□□アミノカルボニル反応による褐変は、中間水分活性値付近で(起こりにくい、起こりやすい)。
   下の問題(02-140)と水分活性の項(3-1)参照。
   この反応は、水分活性が0.8以上または0.4以下の時起こりにくい。
3)□□アミノカルボニル反応による褐変は、栄養価に影響を(及ぼさない、及ぼす)。
○ストレッカー分解:アミノ化合物と還元糖の加熱によってアミノカルボニル反応の主経路の他に、
           副反応としてストレッカー分解が起こり、香気物質のピラジンが生成する。

02-140. 食品のアミノ・カルボニル反応に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)食品の加工・貯蔵・調理の過程において、たんぱく質、アミノ酸、アミンなどが相互に反応し、
  メラノイジンが生成する。
(2)アミノ・カルボニル反応は、食品の品質に悪い影響を与え、かつ良い影響を及ぼさない反応で
   ある。
(3)アミノ・カルボニル反応とは、たんぱく質・ペプチド・アミノ酸・アミンなどのアミノ化合物と
  還元糖や脂質の分解生成物などのカルボニル化合物との反応である。
(4)アミノ・カルボニル反応の速度は、pH、温度、金属などの影響を受けるが、光、水分活性の影響  を受けない。
(5)アミノ・カルボニル反応は、食品の色・香りに影響を与えるが、栄養価には影響を与えない。

02-140解説と解答
(1):アミノ化合物とカルボニル化合物との反応でアミノ化合物が相互に反応するのではない。
(2):中間生成物質であるアミノレダクトン類には脂質の酸化を抑制する作用がある。
   また、褐変物質であるメラノイジンは抗酸化作用がある。
(4):光は反応速度を促進させる。また、水分は無水状態では反応は進みにくくなるが、水分活性が
   0.65〜0.85の中間水分領域では反応が促進される。
(2)(5):アミノ酸の消費やペプチド、タンパク質のアミノ基などが褐変反応に関与するために起こる
   栄養価の低下がおこる。
                                      解答(3)

4-5.微生物による変化(食品加工学の資料参照)  
4-6.貯蔵中の変化(食品加工学の資料参照)

4-7.色素の変化
0-137食品の色素成分についての記述である。正しいのはどれか。
(1)カロチノイドは植物界にのみ存在する脂溶性色素で、プロビタミンAとして作用するものがある。
(2)カロチノイドはブランチングや冷凍などの処理に対して不安定であるので注意を要する。
(3)ナスの青紫色を呈するナスニンはアントシァニン系色素であり、酸性で青色を呈し、アルカリ性
  では赤色を呈する。
(4)新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンの暗赤色であるが、空気に触れると直ちに酸化されてメト
  ミオグロビンとなり褐色となる。
(5)えびやかにをゆでると赤くなるのは、たんぱく質結合型青色色素のたんぱく質部分が変性して離れ、
 アスタキサンチン本来の色が現れるためである。

0-137解説
(1)誤り。カロチノイドは植物だけではなく、卵黄、魚介類、牛乳などの動物性食品にもルチン、
      アスタキサチン、β―カロチンなどとして含まれている。ただし、動物中のカロチノイドは、      植物性飼料から移行したものである。
(2)誤り。これらの処理(ブランチング;湯通し、冷凍)には安定である。
(3)誤り。ナスニンなどのアントシアニン色素はpH3以下では赤色、pH7 - 8では紫色、pH11以上
  では青色になる。
  ナスの漬け物にみょうばんや鉄くぎを入れるとナスニンと安定な金属塩をつくるため、退色しない。(4)誤り。新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンで暗赤色であるが、ミオグロビンは空気に触れた直後      には鮮赤色のオキシミオグロビンになり、時間の経過とともに鉄イオンが3価に酸化されて、      褐色のメトミオグロビンになる。
解答(5)

総合(融合)問題

02-141. 微生物による食品の劣化に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)微生物の増殖を抑制するために水分活性値を低下させる方法がある。
(2)くん煙中のホルムアルデヒドやフェノール物質は食物に対し防腐作用をもつ。
(3)カビの生産するテトロドトキシンは、強力な肝障害や発がん作用が問題とされている。
(4)たんぱく質やアミノ酸の嫌気的分解によってアミンなどを生成し、異臭を伴う反応を「腐敗」
  という。
(5)一般的な微生物の増殖範囲は、pHが5から7付近であるので、それ以下の pHでは保存性が
  高まる。

02-141解説と解答
微生物による食品の劣化と保存方法(食品加工学の問題でもある)
(1)(2)(5)食品の保存方法:水分活性の低下、燻煙、pH低下(酸性にする)
(4)たんぱく質の腐敗:嫌気的分解によるアミンの生成
(3)かび毒はマイコトキシンといい、テトロドトキシンはふぐ毒である。
覚え方:舞子と鬼神(マイコトキシン)は華美(カビ)な衣装、ふぐ毒は、すぐ手で取ろうトキシン
                                    (テトロドトキシン)     
                                           解答(3)


第5章 食品の物性 
  ○エマルション、油中水滴型、○水中油滴型、
   ダイラタンシー、塑性流動、◎非ニュートン流体、チキソトロピー
5-1.コロイド性
5-2.レオロジー
5-3.テクスチャー


99-142 食品の物性についての記述である。誤っているのはどれか。
(1)ジャガイモでんぷんを少量の水でペースト状にして、これを手で強くつかむと瞬時に表面の水が
内部に吸い込まれて、もろい固体となって割れる。この現象をダイラタンシーという。
(2)マヨネーズ、トマトピューレ、チョコレートなどは一定のずり応力によってはじめて流動性を示し、 これを塑性流動という。
(3)濃厚なコロイド分散系高分子溶液として存在する液体食品は般に非ニュートン流体である。
(4)チキソトロピーの性質を示す食品は、かく拌により流動性が低下する。
(5)エマルションはコロイド粒子の径が小さいほど安定化する。

99-142解説とポイント
食品の物性、難解な語句が出てくるが、具体的な食品の例から覚える。
  粘性流動:
  a)ニュートン流動…水やシロップなどの濃度の低い水溶液
  b)非ニュートン流動…極度に粘性の強い食品(はちみつ、トマトケチャップなど)
    塑性流動;一定の応力まで固体のような弾性を示すが、限界を超えると液体のような流動を
         始める現象(つきたての餅の両端を引っ張っていくときの様子) 
    ダイラタンシー;ゆっくりかき混ぜるとあまり抵抗を感じないで流れやすくなるが、速くかき
         混ぜようとすると抵抗感が急激に増大し流れにくくなる(例;デンプンの濃厚溶液)。    チキソトロピー;静置しているとき、流動性が悪いが、振ったり攪拌することによって流動性が         増す現象(例;トマトケチャップの容器を長く静置しておくと流動性が悪いが、容器         を激しく振り動かすと流動性がでてくる)。   そのため(4)は誤り。      1 〜 3)、5)は正しい。
  食品の物性の項の中で、コロイドの分類(疎水コロイドと親水コロイド、分子コロイドとミセルコ   ロイド、乳濁液と懸濁液の違い)を整理しておく。 ゾルとゲル。                                   
                              解答(4)

1-142.  食品のコロイド性に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)パンは分散相が固体で、分散媒が気体の一種のコロイドである。
(2)寒天やゼリーは少量の分散媒が多量の分散相の中に入って流動性を失ったゾ ルである。
(3)牛乳は油中水滴型のエマルションである。
(4)味噌汁は液体に固体粒子が分散した一種のサスペンションである。
(5)ヨーグルトの表面に水が浮いてくるのは、ゾルがゲル化するためである。

1-142. 解説とポイント(出題は少ないが、わかりにくいので、身近な食品の例で覚えよう) 
(1)誤り。パンは分散媒が固体、分散相が気体からなる固体コロイドである。
(2)誤り。寒天やゼリーは多くの液体を含んでいるが流動性を失って固化したゲルである。
     固体のコロイド粒子が液体中で分散しているコロイド溶液には2つの状態がある。
       a)ゾル:流動性を持っている状態。生卵の白身
       b)ゲル:流動性を失った状態。調理加熱した卵の白身、ゼリー寒天
(3)誤り。牛乳は、水(乳汁)中で細かな乳脂肪が分散している水中油滴型(O/W型)の
      エマルジョンである。


     エマルジョン(乳濁液)の型(☆食品加工学で良く出題される)
       a) 水中油滴型(O/W型):水が分散媒(連続相)で、油が分散相となっている状態。
                    牛乳、生クリーム、マヨネーズ
       b) 油中水滴型(W/O型):油が分散媒で、水が分散相になっている状態。
                    バター、マーガリン
(4)正しい。上の表参照
(5) 誤り。ヨーグルトは乳タンパク質カゼインが乳酸発酵によって生成された乳酸(酸性)によって等      電点沈殿し、ゲル化したものである。温度が高くなったり、時間の経過とともにこのゲルに      含まれている溶媒の一部が表面に徐々に浮いてくる(離水、離漿、シネレシス)。
  シネレシスシネリシス(syneresis):ゲルが含んでいる分散媒の一部を放出して体積が減少      する現象。俗に寒天が汗をかくというのはこの現象による。      解答 (4)


5-4.官能検査  
1)食品の官能試験法
  3点識別試験、味の相乗効果
1-143.  食品の官能検査に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)異なる試料どうしの味覚の対比効果を防ぐには、試料間で時間を置かずに味わうようにする。
(2)同じ試料を続けて味わううちに閾値がしだいに低くなっていくことを疲労順応効果という。
(3)味覚刺激の強さは、試料深度に比例する場合が多い。
(4)少量の食塩によって甘味刺激が強められることを味の相乗効果という。
(5)正しい官能検査を行うためには試料提示の順序や位置をランダムに配置する。

1-143. 解説とポイント(やや難問。関連問題 平成12年度問題148)
(1)誤り。2つ以上の刺激を同時に、または前後に呈示した時にそれらの刺激の差が実際より大きく
  感じる心理的効果を対比効果という。これを防ぐ為に試料呈示にパネリスト毎に試料順序をランダム  化する。
(2)誤り。官能検査で、刺激の連続、継続によって感覚の低下を招くことがある。
  疲労順応効果とは同じ試料を続けて味わうことによって知覚が弱くなることいい、閾値が 低くなる  ことはない。
  閾値:味覚物質の味の強さを定量的に表現する値
    a) 刺激閾値…味覚物質を感知できる味覚物質の最低濃度
    b)弁別閾値…2種類の刺激の違いを認識できる味覚物質の最低濃度
(3)誤り。官能検査用語には試料深度という用語はない。
(4)誤り。設問の「少量の食塩によって甘味刺激が強められる」味の相互作用は味の対比効果という。
  味の相乗効果:グルタミン酸ナトリウム(MSG)に核酸系の呈味物質(イノシン酸)を加えると、         うま味が相乗的に高まる。このようにある物質を単独で用いたときに比べ、他の物質         を併用すると、その効果が著しく増す効果をいう。
(5)正しい。(1)の解説を参照

解答 (5)



第6章 食品の機能性☆☆☆ 
  一次機能(栄養的機能)、二次機能(嗜好的機能)、三次機能(生体調節機能)
  2006年3月の出題科目変更で、今後とも食品成分の機能性について出題される可能性が高い

02-150. 特定保健用食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)特別用途食品は、乳児用、妊産婦用、病者用などの用途に適する旨の表示をして販売する食品
  であり、特定保健用食品もその一つである。
(2)保健の用途に関与する成分が基準以上含まれていれぱ、自動的に特定保健用食品として販売する
  ことが可能である。
(3)整腸作用が期待される特定保健用食品は、難消化性オリゴ糖、食物繊維、カルシウム、ペプチド
  成分を含むものである。
(4)特定保健用食品は、多く摂り過ぎても安全な食品である。
(5)特定保健用食品の表示においては、疾病の治療に有効である旨を記載してよい。

02-150解説と解答
 特定保健用食品の問題である。今後、常に出題されると思われるので、良く理解しておく。
(2):生体調節機能をもち、一定の要件に適合した食品であり厚生労働省に認可されたもので
   あること。
(3):整腸作用が期待される成分は食物繊維、オリゴ糖、難消化性デキストリンなどである。
(4):食物繊維を過剰に摂取すると下痢や他の栄養成分の消化吸収を阻害するなどのように、偏って
   摂取すると健康を害することがある。
(5):特定保健用食品は食品と医薬品の中間に位置しており、その許可要件に食品またはその成分は
    専ら医薬品として使われるものではないという要件があり、疾病の治療に有効である旨を
    記載してはならない。                        解答 (1)

03-150 特別用途食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)特別用途食品は、乳児用、病者用などの用途に適する旨の表示をした食品であり、その表示に
ついては特に制限されていない。
(2)そしゃく・えん下困難な高齢者用の表示をした食品は、特別用途食品の一つである。
(3)遺伝子組換え食品は、特別用途食品の一つである。
(4)特別用途食品の−つである特定保健用食品においては、疾病の治療に有効である旨の表示が
認められている。
(5)ナトリウム食品である減塩しょうゆは、その食塩濃度について、18%以下と定められている。

03-150解説と解答
(1)特定保健用食品は、特別用途食品の1つであり、保健の用途に関与する成分を含み、その有効性
をヒトで、医学的、栄養学的に証明されたもので、健康増進法(第6章)で用途、効能表示の基準
が定められている。
(2)正しい。
(3)特別用途食品は、乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用、その他厚生労働省で定める特別の用途に
  適したものであり、遺伝子組み換え食品は該当しない。
(4)特定保健用食品は、疾病の治療に効果があると表示してはいけない。
(5)減塩しょう油は、病者用にイオン交換膜などを利用して、普通しょう油から食塩を100g中9g
以下 に脱塩したものである。  ナトリウム量3,550mg(食塩として9g)以下と定められている。
                                      解答 (2)



食品学各論 編
1.植物性食品
1-1.穀類
 イネ、米の種類と特徴、古米臭、◎うるち米ともち米、
 ◎米、そばと小麦のタンパク質およびアミノ酸価(03-141)、第一制限アミノ酸
  ○アミノ酸スコア:生および乾そば(92L)、精白米(65L)、強力粉(38L)、
コーングリッツ (32L)、コーンフレーク(16L)

☆穀類の理解度チェック
1)□□食品タンパク質のアミノ酸スコアは、そばよりトウモロコシの方が(高い、低い)。
2)□□小麦粉(強力粉)のアミノ酸スコアは、精白米のそれより(高い、低い)
3)□□小麦粉グルテンは、(グルテニンとグリシニン、グリアジンとグルテニン)からなる。
4)□□穀類にタンパク質の大部分は(グルテリンとプロラミン、アルブミンとグロブリン)である。
5)□□こめには(オリゼニン、グルテニン)と呼ばれるグルテリンが圧倒的に多い。
6)□□トウモロコシには(ツエイン、ホルデイン)と呼ばれるプロラミンが最も多い。
7)□□そば粉のアミノ酸スコアは、小麦粉のそれより(高い、低い)。

1-144.  植物性食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)米、小麦、大豆は生産量が多く、世界の三大穀物といわれる。
(2)そばのたんぱく質は小麦のたんぱく質に比べて、バランスのよいアミノ酸組成である。
(3)もち米はアミロペクチンをほとんど含まず、アミロースをほぼ100%含んでいる。
(4)米も小麦もナトリウム含量は同程度含んでいるので、ご飯もパンもナトリウム含量は同じ程度で   ある。
(5)小麦粉はたんぱく質含量に基づいて、特等粉、一等粉、二等粉などに分類さ れる。


1-144. 解説とポイント
(1)誤り。世界三大穀物(総生産量)は米(約25%)、小麦(約29%)、とうもろこし(約26%)
   である。
(2)正しい。  そばと小麦のたんぱく質の栄養価
                 アミノ酸価  たんぱく価
   そば(生)          92L 81L,I L:リジン、I:イソロイシン
   小麦粉(強力粉)       38L 48L
(3)誤り。もち米のデンプンにはアミロースをほとんど含まず、アミロペクチンから成る。
(4)誤り。米と小麦のナトリウム含量はほぼ同程度であるが、パン製造時に食塩が添加されるので、
パンの方がナトリウム含量は多くなる。
(5)誤り。小麦粉の等級は胚乳の中心部に近い粉ほど上質で、ふすま部の混入が多くなると灰分含量が  高くなり等級が下がる。薄力粉の灰分:1等(0.4g/100g)、2等(0.5g/100g)
                                  解答 (2)