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【英語文化学科】学生研究発表会を開催しました

 10月19日(土)に第56回藤陽祭英語文化学科主催企画の一つとして、「学生研究発表会」を行いました。英語文化学科の3・4年生は、文学系・英語学系・コミュニケーション系・総合研究系の4分野に分かれて、日々研究に取り組んでおります。今回は、4年生3名が現在卒業研究(卒業論文)で取り組んでいる内容を発表しました。当日の様子をご報告させていただきます。

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 1人目は、文学系の工藤さんが「『地下鉄道』(2016)研究 —— 自己と身体の所有――」というタイトルで発表してくれました。『地下鉄道』はアフリカ系アメリカ人作家コルソン・ホワイトヘッドによる長編小説で、権威あるピューリッツァー賞を受賞するなどアメリカでも高く評価されている作品です。タイトルにもなっている「地下鉄道」とは19世紀に実在した、アメリカ南部の奴隷州から黒人奴隷の逃亡を手助けした地下組織です。『地下鉄道』は奴隷制の時代を舞台にしつつも、黒人奴隷の少女コーラが文字通り地下を走る鉄道に乗って逃亡していくというSF小説です。工藤さんは元黒人奴隷の女性ハリエット・ジェイコブズの奴隷体験記『ある奴隷少女におこった出来事』(1861)との比較を通して、「黒人」で「女性」という二重のマイノリティがあるコーラの逃亡は、白人の主人だけでなく仲間であるはずの男性の黒人奴隷からも搾取される自己の身体を所有しようとする試みであると論じてくれました。

 2人目は、英語学系の蛭間さんが「日英における指示語の対照言語学的研究」というタイトルで、卒業論文に向けて現在研究している内容をお話してくれました。特に、日本語の「こそあど言葉」とそれに対応する英語の“this”や“that”などを比較研究しているそうです。発表では、研究の方法も紹介してくれ、それぞれの話者にアンケート調査を行い、母語話者の直観を生かした方法を用いているとのことです。まだまだ研究の途中ではありますが、蛭間さんの研究は、卒業論文が完成した後も(韓国語などの)他言語との言語類型論的研究に発展していく可能性があるものでした。今後の研究活動を期待しています!

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 最後は、コミュニケーション系の米山さんが "How are implicatures generated? Influences of non-verbal expressions in understanding utterances(ノンバーバル表現が及ぼす含意解釈への影響)”というタイトルで発表してくれました。米山さんは、会話における含意(言外の意味)の解釈における非言語情報の役割について研究しています。日本人が英語でコミュニケーションを行う際に、英語母語話者と異なる含意の解釈をするという先行研究をもとに、同じ会話でも表情の違いにより含意の解釈に違いが生じるのかという問題について、ビデオを用いた発話解釈の実験を行うことにより検証しました。結果としては、非言語情報が含意の解釈に一定の影響があるということが観察されましたが、一部の例外も認められたため、今はその原因について考察を行っているそうです。

 今年度の学生研究発表会はいかがだったでしょうか。3名の学生が4年間の集大成となる卒業研究として取り組んでいる研究内容を発表しましたが、試行錯誤を重ねながら、一生懸命に問題を探求している姿をみることができました。発表に対するコメントや質問を取り入れながら、12月の卒業論文提出に向けて、それぞれの研究をさらに発展させていくことを願っています。

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