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藤女子大学研究倫理規準 

藤女子大学研究倫理規準

2010年2月4日制定
2015年1月1日改正
(基本的な考え方)
 藤女子大学(以下「本学」という。)は、建学の理念のもと、キリスト教的世界観や人間観を土台として、女性の全人的高等教育を通して、広く人類社会に対する愛と奉仕に生きる高い知性と豊かな人間性を備えた女性の育成を使命としている。

 このような使命を遂行していく上で、本学に属する研究者は各自が基本的な倫理的規範を遵守し、本学の学術研究が社会の厚い信頼と尊敬を得ることが必要不可欠である。本規準は、本学の研究が社会からの信頼を得つつ公正に推進されるよう、本学の研究者が研究を遂行する上で遵守すべき内容を定めたものである。

1.目的

  1. 本学は、学術研究の信頼性と公正性を確保することを目的とし、研究を遂行する上で求められる研究者の行動・態度の倫理的規準をここに定める。

2.定義

  1. 研究者とは、本学の教員、本学で研究活動に従事する学部・大学院生並びに本学で研究活動を行う交換教員など(以下、総称して「研究者」という。)をいう。
  2. 「研究」には、研究計画の立案、計画の実施、成果の発表・評価にいたるすべての過程における行為、決定及びそれに付随するすべての事項を含む。
  3. 「発表」とは、自己の研究に係る新たな知見・発見又は専門的知見を公表するすべての行為を含む。

3.研究者の基本的責任

  1. 研究者は、研究活動に係る不正行為を行ってはならず、また、不正行為の防止に努めなければならない。
  2. 研究者は、良心と信念に従って、自らの責任で研究を遂行し、不当な圧力により研究成果の客観性を歪めることがあってはならない。
  3. 研究者は、生命の尊厳及び個人の尊厳を重んじ、基本的人権を尊重しなければならない。
  4. 研究者は、日本学術会議声明「科学者の行動規範」のほか、国際的に認められた規範、規約及び条約等、国内の法令、告示等、所属学会等及び本学の諸規程を遵守しなければならない。

4.研究者の態度

  1. 研究者は、本学の使命の実現に向け、各人の自覚に基づいた高い倫理的規範のもとに、良心と信念に従い誠実に行動しなければならない。
  2. 研究者は、他の国、地域、組織等の研究活動における、文化、慣習、規律の理解に努めなければばらない。
  3. 研究者は、共同研究者が対等なパートナーであることを理解し、お互いの学問的立場を尊重しなければならない。研究協力者、研究支援者等に対しては、謝意をもって接しなければならない。教員は、学部・大学院生が共に研究活動に関わるときは、学生が不利益を被らないよう十分な配慮をしなければならない。
  4. 研究者は、自己の研究計画について、分かりやすく、明瞭に説明できるよう努めなければならない。
  5. 研究者は、自己の専門領域が及ぶ範囲を自覚し、他分野の専門研究を尊重するとともに、自己研鑽に努めなければならない。
  6. 研究者は、自らの研究、審査、評価、判断、科学的助言などにおいて、公共性に配慮しつつ、利益相反や責務相反を生じないように万全の注意を払わなければならない。

5.研究計画の立案・実施

  1. 研究者は、研究計画の立案・提案にあたっては、過去に行われた研究業績の調査・把握に努め、誠実に自己のアイディアや手法の独創性・新規性を確認しなければならない。他者の独創性・新規性は、尊重しなければならない。
  2. 研究者は、研究成果の公表にあたっては、研究方法等を他の研究者から追試、検証できるようできるだけ具体的に提示しなければならない。
  3. 研究者は、研究途中であっても、当該研究によって社会や人類に好ましくない影響を及ぼす可能性があると判断された場合は、その研究を続行するか否かについて慎重に検討しなければならない。

6.インフォームド・コンセント

  1. 研究者が、人を直接の対象として思想信条、財産状況、行動・社会環境や心身の状況等の個人に関する情報・データの提供を受けて行う研究及び人体を対象に経管採血又は化学物質などを投与する研究を実施するときは、当該情報・データあるいは血液などを提供する人( 以下「協力者」という。) に対して研究の目的・意義、収集方法あるいは採血方法などや利用方法等について分かり易く説明し、協力者が被る可能性のある不利益や不快な状態等について十分説明して、提供者の明確な同意(インフォームド・コンセント)を得なければならない。
  2. 研究者は、協力者に対し、不利益を受けることなくいつでも研究への協力を中止又は協力の同意を撤回する権利を有することを説明しなければならない。
  3. 研究者は、協力者が前項の事柄を理解したことを確認した上で、自由意思により同意した旨を、原則として文書で確認しなければならない。組織、団体等から、当該組織、団体等に関する資料、情報、データ等の提供を受ける場合も同様とする。

7.個人情報の保護

  1. 個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に扱われるべきものであり、利用目的の明確化、内容の正確性の確保等その適正な取り扱いに努めなければならない。
  2. 研究者は、協力者に関する情報の管理に万全を期すとともに、職務上知り得た個人情報を本人の承諾なくして他に漏らしてはならない。また、その職を辞した後も同様とする。
  3. 研究者は、研究の推進上協力者に関する個人情報の取扱いを外部に委託するときは、委託先に安全管理の方法の明確化と個人情報保護の徹底を義務付けなければならない
  4. 研究者は、個人情報の取扱いに関する苦情等には誠実に対応しなければならない。

8.情報・データ等の利用および管理

  1. 研究者は、資料やデータ等の収集にあたっては、その目的に適う必要な範囲での収集に努め、科学的かつ一般的に妥当と考えられる方法・手段により行わなければならない。
  2. 研究者は、収集・作成した資料、情報、データ等の記録は滅失、漏洩、改ざん等を防ぐために適切に保管し、事後の検証・追試が行えるよう十分な期間保存しなければならない。ただし、個人に関する情報・データについては、協力者との合意を得た期間とし、法令又は規程等に保存期間の定めのある場合はそれによることとする。

9.機器、薬品・材料等の安全管理

  1. 研究者が、研究実験において研究装置・機器等及び薬品・材料等を用いるときは、関係取扱規程、要領等を遵守し、その安全管理に努めなければならない。
  2. 研究者は、研究の過程で生じた残渣物、使用済みの薬品・材料等について、責任をもってその最終処理をしなければならない。

10.研究の透明性の確保

  1. 研究者は、研究遂行中において適宜進捗状況の自己点検を行い、協力者や調査機関等からの研究の進捗状況の問い合わせ等に対しては、誠実に対応しなければならない。

11.研究成果発表の規準

  1. 研究者は、特許権の取得等合理的な理由があるため公表に制約がある場合を除き、研究の成果を広く社会に還元するため、公表しなければならない。
  2. 研究成果は、学問的誠実性と論理的忠実性によって導かれた、新たな知見、発見であることに鑑み、研究者は、他者の成果を自己の成果として発表してはならない。
  3. 研究者は、研究成果の発表に際しては、先行研究を精査し尊重するとともに、他者の知的財産を侵害してはならない。
  4. 研究成果発表における不正な行為は、大学及び研究者に対する社会の信頼性を喪失する行為であることを研究者は自覚し、ねつ造(存在しないデータ、研究結果等を作成する行為)、改ざん(研究資料、機器、過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工する行為)、盗用(他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用する行為)、二重投稿(同一内容とみなされる研究論文を複数作成して異なる雑誌等に発表する行為)及び不適切なオーサーシップ(研究論文の著者リストにおいて、著者としての資格を有しない者を著者として含め、又は著者としての資格を有する者を除外する行為)等の不正な行為は、これをしてはならない。
  5. 研究発表における不適切な引用、引用の不備、誇大な表現、都合のよい誤解をさせる表現等は、不正行為とみなされる恐れがあり、研究者は、適切な引用、誤解のない完全な引用、そして真摯な表現をしなければならない。
  6. 研究者は、研究活動に実質的な関与をし、研究内容に責任を有し、研究成果の創意性に十分な貢献をしたと認められる場合に、適切なオーサーシップを認められる。

12.研究費の取扱い規準

  1. 研究者は、研究費の源泉が、学生納付金、国等からの補助金、寄付金等によって賄われていることを深く認識し、研究費の適正な使用に努め、その負託に応えなければならない。
  2. 研究者は、交付された研究費を当該研究に必要な経費のみに使用しなければならない。
  3. 研究者は、研究費の使用にあたっては、関係法令、研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン、本学の経理事務等の関連規程、当該研究費の使用に関する諸規程を遵守しなければならない。
  4. 研究者は、証憑書類等を適切に管理し、実績報告においては、研究遂行の真実を明瞭に記載しなければならない。

13.他者の業績評価

  1. 研究者が、レフリー、論文査読、審査委員等の委嘱を受けて、他者の研究業績の評価に関わるときは、被評価者に対して予断を持つことなく、評価基準、審査要綱等に従い、自己の信念に基づき評価しなければならない。
  2. 研究者は、他者の業績評価に関わり知り得た情報を自己または第三者の利益のために不正に利用したり、他に漏らしてはならない。当該業績に関する秘密は、これを保持しなければならない。

14.藤女子大学の責務

  1. 本学は、研究者等の研究倫理意識を高揚するために、必要なコンプライアンス教育及び研究倫理教育の計画を策定し、実施するものとする。
  2. 本学は、この規準の運用を実効あるものにするため、研究者等の研究倫理に反する行為に対しては適切な措置を講じるものとする。
  3. 本学における研究活動上の不正行為に関する取扱いは別に定める。

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