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つながり

 学生の皆さん、
 お元気でお過ごしでしょうか。先日、東京都知事選挙で現職の小池百合子さんが大差で再選を決めたことを受けて、日本社会における権限はまだまだ男性に偏っているなかで、ようやく女性のリーダシップが期待され始めていると、喜んでいます。ところが、そう喜んでいるうちに、欧州連合の二十七加盟国のうちに四ヵ国だけの首脳が女性であることに改めて気づかされました。やはりヨーロッパもまだまだ男女平等からほぼ遠い状態にあるでしょう。

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 こうした中、今月1日から六ヶ月の間、交代制でドイツが欧州連合の議長国を務めることで、二人の女性が連合内最高の実力を発揮し得る立場にあることは、嬉しい限りです。一人は、言うまでもなく、議長国首相のアンゲラ・メルケルさんです。もう一人は、メルケル政権で相次いで家族大臣、労働大臣、国防大臣を務めたうえで、去年12月1日には5年間の任期で欧州連合委員会委員長に就任したウルズラ・フォン・デア・ライエンさんです。子供のいないメルケルさんとは対照的にフォン・デア・ライエンさんは政治・行政の多忙の中でも七人もの子供を育てました。
 離脱したイギリスと欧州連合との将来関係をめぐる交渉は、ドイツ議長国の任期中に完了することが予定されています。お二人のリーダシップに期待したい。
それでは引き続き体調管理に気を付けていきましょう。

2020年7月9日
学長 ハンス ユーゲン・マルクス
 

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 いかがお過ごしでしょうか。
 札幌駅や大通りなど繁華街にも人出が戻りつつある中、有効なワクチンの開発が成功するかどうかはともかくとして、コロナウイルス発生以前のような生活へ戻るのは難しいという認識が深まり、ライフスタイルの変化を呼びかける声も聞こえてきます。ちょうど5年前、教皇フランシスコがあらわした回勅『ラウダト・シ』の第六章第一節に「新しいライフスタイルを目指して」という題が付いています。
 回勅全体の題は、アシジのフランシスコが作った詩の開始句で「わたしの主よ、あなたは称えられますように」という意味です。ちなみに、ダンテの『神曲』にも先立って、イタリア語で書かれた最初の文学作品です。環境保存へのグローバルな取り組みを呼びかけるのが回勅の狙いです。
 「わたしたちは歴史上はじめて、共通の運命によって新たな行動を始めることが求められている。……私たちの時代を、生命の新たな尊厳への目覚め、持続可能性を実現するための確たる決意、正義と平和を確立するためのさらなる努力、そして、喜びと祝福に満ちた生命とともに想起される時代にしようではないか。」
 こう訴えたうえで教皇は従来の自己中心的な姿勢から他者中心的な姿勢への転換を求めています。「自己を超え出るという基本的な姿勢が、他者と環境に対するどのような配慮をも可能たらしめる土台です。」
 

2020年6月25日
学長 ハンス ユーゲン・マルクス

 

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 学生の皆さん、
 お元気でお過ごしでしょうか。国内の緊急事態宣言が解除されて一週間も経っています。しかし、いまだ、いつまで自粛すべきか出口は見えません。他方、欧米諸国では、感染拡大対策の緩和や経済活動の再開への動きは、速度に差があっても、着実に進んでいます。こうした中、三か月ぶりに5月31日から、バチカンをはじめとして世界各地のカトリック教会において会衆参加のミサが復活しています。
 キリスト教の世界で5月31日は聖霊降臨の祭日でした。これはイースター後の50日目に神の霊が弟子たちの上に降ったことによって教会が誕生したことを祝う重要な祭日で、クリスマスとイースターと同様に連休と結びついている国や地域もあります。各地のキリスト者はまさにグローバルの病が一刻も早く収束するよう祈ったのでしょう。

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 総決算をするにはまだ早いのですが、とりわけ日本について言えることは、これまでよく生き抜いてきたということでしょう。以前に紹介した新聞記事では、コロナ禍によるドイツの死亡者数が欧州諸国の間で際立って低いことは、メルケル首相のリーダシップをうかがわせる一点と評価されていました。現在、日本の感染者数はドイツの一割にとどまっています。一方、日本の人口はドイツより約4千万人も上回っており、これだけの格差は登録システムの違いだけでは説明できないでしょう。やはり、マスクを着けるのに抵抗が少なく、思いやりの根本姿勢が日本文化(大和魂)のDNAに刻まれていることも一要因でしょう。
 それでは引き続き体調管理に気を付けていきましょう。

2020年6月10日
学長 ハンス ユーゲン・マルクス

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 学生の皆さん、
 お元気でお過ごしでしょうか。大きな問題も起こらず、遠隔授業がスタートを切った、との報告を受けてほっとしています。
 コロナ禍が続く中、女性のリーダシップにはかつてない注目が集まっています。今月18日のジャパン タイムズは「なぜ女性は危機の際により良いリーダであるか」と題して、女性の首脳を仰ぐ四か国を取り上げています。自問への答えは次のとおりです。トップになるため、その途中で、女性は普通の男性よりはるかに多いハードルを乗り越えなければなりません。したがって、優れたリーダシップを発揮するのに必要なスキルを、普通の男性よりも多く鍛錬し得たのも当然です。

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 翌日には、前回に紹介した社説に続いて、ニューヨーク タイムズの国際版は「なぜ女性に司られる諸国はよりうまくやっていけるか」と題して、またもニュージーランドのアーダーン首相に次いで15年も前からドイツの首相を務めているアンゲラ・メルケルさんを紹介しています。引き続いて、去年12月、34歳の若さでフィンランドの首相になったサンナ・マリンさんと、今月20日、台湾の総統として二期目の就任式に鑑みた蔡英文さんを紹介したうえで、4人の女性とは対照的に種々多様な起源の情報を熟すことを怠り、意思決定をインナ・サイクルに限定しがちな英米両首脳に厳しい論評を加えます。
世の中が大きく変わっていくような気がします。

2020年5月25日
学長 ハンス ユーゲン・マルクス
 

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 学生の皆さん、
 お元気でお過ごしでしょうか。連休明けでやっと、授業が開始されたことでほっとしています。遠隔授業なのでお手間がかかるとは承知していますが、参加をできるだけ容易にするため、連休中にも教職員は通勤して、深夜まで工夫を凝らしていたことを皆さんにもぜひ知っていただきたいと思います。
 さて、5月4日、ニューヨーク タイムズの国際版の社説に「危機の際に真のリーダーが際立つ」という見出しが付いていました。今回の危機で特筆に値する取り組みをした国の首脳は10名が紹介されましたが、内7名も女性でした。
 真っ先に紹介されたのは、2017年10月、38歳でニュージーランドの首相に就任すると同時に第一子の妊娠を知らせたジャシンダ・アーダーンさんでした。2018年3月21日、モスクでの礼拝中51名もが一人の白人優越主義者から射殺されたことを受けて、ベールをかぶったまま首相がモスクの礼拝に参列したことは、危機の際に攻勢を発信せず、社会的不安にも譲らず、リーダシップを発揮することが可能だ。という世界中の同僚へのメッセージにもなったと願っています。
 アーダーンさんに次いで、オーストラリアの首相スコット・モリソンさんが紹介されたのは、二人が異なる政治理念を掲げながらも共同に推進した対策の結果、コロナウイルスが両国からほぼ消滅したからでしょう。
 藤女子大学からも真のリーダーが輩出されるよう祈っています。
 

2020年5月12日
学長 ハンス ユーゲン・マルクス

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 学生の皆さん、
 どのようにお過ごしでしょうか。こんなにも長い間、正常の学生生活をさえぎられていることに心を痛めています。昨年度末、本年度の入学式の中止と共に授業開始の延期を決断した時、まさか、授業が開始されないまま大型連休を迎えることになるだろうとは、思ってもいませんでした。しかも、連休が明けてからも、すぐに普通の対面授業に戻れないこともすでに明らかになっています。大学の実務的な対応ついては、従来通り本学のHPを見ていただきたいですが、政府の専門家会議から「当面は新規感染者数がゼロにはならず、一年以上、持続的な対策が必要になる」と指摘される中で、学長としてはこれまでにも増して、目下の問題について自分の考えを皆さんに伝える必要を痛感するに至った次第です。
 今後は、学長メッセージを「つながり」として随時発信します。「つながり」を選んだ理由の一つは、毎回のメッセージ性に自信がないからです。もう一つは、目下の問題に関連して流行語となっている「ソーシャル・ディスタンス」よりは前向きの姿勢を訴えたいからです。もとよりこの言葉は英語のsocial distancingの略語で、感染症のある人と感染していない人との接触の機会を最小限に減らす取り組みを指します。もちろん、これには賛成です。しかし、心理衛生のためにも、身体的・物理的距離の場合にこそ心と心のふれ合い、わけても病める人への思いやりがはなはだ大事だ、と思います。

2020年5月1日
学長 ハンス ユーゲン・マルクス

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