栄養教諭制度について




    今回創設された栄養教諭制度の概要について説明します。


     (1) 栄養教諭の職務


        栄養教諭は、学校給食を生きた教材として活用し、実際に「食べる」という行為を通じた効果的な食に関する指導を行う
        ことが期待されることから、食に関する指導と学校給食の管理を一体のものとしてその職務とします。

        まず、食に関する指導においては、

         @ 偏食傾向のある児童生徒、肥満傾向や痩身願望の強い児童生徒などに対する生活習慣病の予防等の観点
            からの相談指導、食物アレルギーへの対応の観点からの相談指導など、食のカウンセラーとしての役割を担う

         A 給食の時間をはじめ、家庭科や保健体育科等の関連教科、特別活動の時間等における教育指導において、学
            級担任や教科担任等と連携しながら、学校給食を生きた教材として有効に活用しつつ、積極的に指導に当たる

         B 食に関する指導に係る全体的な計画の作成など、学校全体の取り組みに企画段階から中心的に携わり、教職
            員間の連携・ 調整を図るとともに、給食だよりの発行や、親子料理教室の開催などを通じ、家庭や地域社会と
            連携しながら啓発活動を進める

        など、食に関する指導のコーディネーターとしての役割を果たすこととなります。

        また、現在の学校栄養職員が担っている学校給食における栄養管理や衛生管理等も栄養教諭の主要な職務の柱とし
        てより一層の積極的な取り組みが期待されています。


    (2) 栄養教諭免許状の創設



        栄養教諭には、栄養に関する専門性と教職に関する専門性が求められるため、それらの資質能力を制度的に担保する
        ため栄養教諭の免許状を創設しました。

       栄養教諭の免許状の種類は、大学院修士課程終了程度の専修免許状、大学卒業程度の一種免許状、短期大学卒業
      程度の二種免許状許の3種類としています。    免許の概要はこちら

        標準とされる一種免許状にあっては学士の学位及び、管理栄養士又は管理栄養士養成課程終了(栄養士免許は必要)
        を基礎資格とし、その上で、文部科学大臣の認定を受けた大学の課程、または文部科学大臣の指定する教員養成機関
        において、「栄養に係る教育に関する科目」4単位、「教職に関する科目」(教職の意義等に関する科目、教育の基礎理論
        に関する科目、教育課程に関する科目、生徒指導及び教育相談に関する科目、総合演習、栄養教育実習)18単位を修
       得することにより授与されます。専修免許状にあっては、修士の学位及び、管理栄養士を基礎資格とし、一種免許状にお
       いて修得する必要がある単位に加えて、さらに「栄養に係る教育又は教職に関する科目」24単位の修得、二種免許状に
        あっては、準学士の称号及び,栄養士を基礎資格とし、「栄養に係る科目」を2単位、「教職に関する科目」12単位を修得

       することにより授与されます。

        また、教育職員である栄養教諭は不断にその資質能力を高めることが求められることから、現職教員の自発的な研修を
        促すため、一定の在職年数と大学や免許法認定講習等における単位修得により、都道府県教育委員会が行う教育職員
        検定を経てより上位の免許状を取得することができるようにする、いわゆる上進制度を設けています。


        また、現職の学校栄養職員が栄養教諭免許状を取得する場合、現に有している栄養に関する専門性に加え教育に関す
        る資質を身につけることにより取得することができます。学校栄養職員としての一定の在職年数と大学や都道府県教育委
        員会が実施する免許法認定講習等における単位修得により、都道府県教員委員会が行う教育職員検定で栄養教諭免許
        状を取得する措置を設けています。

        一種免許状の取得にあたっては、学校栄養職員として、3年以上の実務経験を有し、栄養に係る教育に関する科目を2単
        位以上、教職に関する科目を8単位以上を修得するものとしています。また、二種免許状の取得にあたっては、学校栄養
        職員として、3年以上の実務経験を有し、栄養に係る教育に関する科目を2単位以上、教職に関する科目を6単位以上修
        得するものとしています。なお、特別非常勤講師として継続して1年以上、食に関する指導の実績があると実務証明責任
        者(公立の場合は、所管の市町村教育委員会)が認める場合には、栄養教育実習の単位数を、他の教職に関する科目の
        単位数をもって充てることができます。

        また、他の教諭の普通免許状を有する場合は、在職年数及び単位数をさらに軽減しています。


    (3) 栄養教諭の配置等


        栄養教諭の配置については、

         @ 学校給食の実施そのものが義務とはされていないこと

         A 現在の学校栄養職員も学校給食実施校すべてに配置されているわけではないこと

         B 地方の自主性を尊重するという地方分権の趣旨を踏まえ、地方公共団体が地域の実情等に応じて判断すること

        としています。


    (4) 栄養教諭の身分等


        学校教育の成否は、実際の教育に携わる教員個人の資質能力に負うところが大きいことから、

         @ 専門職としての位置付けと不断の資質能力の向上  や、

         A 児童生徒等との全人格的触れ合いを通じて指導する立場としての相応の倫理性や中立性

        が求められます。このため、公立学校に勤務する教諭や養護教諭などの教育公務員については、その職務と責任の特
        殊性に基づき、教育公務員特例法において身分の取扱いについて特例を定めています。

        今回、創設された栄養教諭について、教諭や養護教諭と並んで児童生徒に対する指導を直接的に担う教育職員として
        位置付け、他の教員と同様に、教育公務員特例法等の身分等関係規定の適用を受けることとしています。


                                                           以上教職課程2004年10月号より